メモリード・吉田氏 「葬儀保険」運営に注力、系列会社へ代表権移す

成長分野の葬儀保険業に注力する吉田茂視氏=長与町、メモリード総合本部

 冠婚葬祭大手メモリード(総合本部・西彼長与町)の創業者で代表取締役会長の吉田茂視氏(76)は8月末までに取締役に退いた。取締役会長を務めるグループ会社メモリード・ライフ(東京)の代表権を新たに持ち、成長分野の「葬儀保険」運営に注力している。
 メモリード・ライフによると、2019年度末の保有契約数は約8万4千件、保険料収入は30億円。取材に対し吉田氏は、同収入を300億円に引き上げる目標を示した。「冠婚葬祭業と比べ、保険業の販売エリアは限りなく広い。高齢化や家族葬の普及、さらには新型コロナウイルス感染拡大で会葬者が減り、互助会や香典だけでは葬儀費用を賄えないケースも増えつつある。葬儀保険の浸透を図り、業界ナンバーワンの地位を固めたい」と抱負を述べた。
 同社は2006年設立。代表取締役社長は高原芳信氏。39都道府県の冠婚葬祭互助会と専門葬儀社の計707代理店による販売ネットワークを展開。保険勧誘を互助会の外務員らに任せることで人件費を圧縮でき、利益率が高いのが強みという。7月には福岡支社を開設し、九州でのシェア拡大に力を入れていく。
 一方、冠婚葬祭のメモリードは全国に4社展開。本県では吉田氏の次男昌敬(まさのり)氏、東京では四男仁氏、宮崎県では三男明夫氏、群馬県では長男卓史(たかし)氏がそれぞれ代表取締役社長を務めている。

 


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