城瑠那子さん <抽象と具象の二面性> 「障害者の文化芸術フェスティバルin九州」本県出品作家を紹介

軽やかなタッチでカタツムリを描く城さん=長崎市茂里町、長崎新聞社

 赤、青、黄、ピンク、オレンジ-。画面いっぱいに鮮やかな色が詰まった絵画。遠くから見るとカラフルな抽象画のようだが、間近でみるとカエルやネコ、ウサギなどの動物、キャラクターなどのかわいらしいイラストを描き重ねているのが分かる。抽象と具象の二面性のある不思議な作品。
 コミュニケーションなどに困難を抱える自閉スペクトラム症で、絵を描くことへのこだわりが強い。3歳ぐらいからクレヨンを握り始め、小学校高学年くらいから人や動物などを描くようになり、今の表現のスタイルに。マーカーやボールペンなどを使い、画用紙を回しながら、さまざまな方向から素早く描くのが特徴だ。
 現在は、諫早市の就労継続支援B型事業所を利用。母の加奈子さん(51)は「描くことで心の中にあるものを表現している」と話す。
 作品約45点を展示予定(変更もあり)。本県出品作家で唯一の全国巡回作品。

城さんのドローイング(提供)

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