独自の発想で表現 260点 障害者の文化芸術フェス開幕 長崎県美術館

障害者の芸術表現を紹介する「日本博を契機とした障害者の文化芸術フェスティバルin九州」が17日、長崎市出島町の県美術館県民ギャラリーで開幕。全国から選出された障害者の感性豊かな作品を披露するアール・ブリュット展では来場者が熱心に見入っていた

 障害者の芸術表現を紹介する「日本博を契機とした障害者の文化芸術フェスティバルin九州」(実行委、文化庁など主催、長崎新聞社など共催)が17日、長崎市出島町の県美術館県民ギャラリーで開幕した。芸術教育を受けていない人々が独自の発想で表現したアート「アール・ブリュット」の作品の数々が並んでいる。26日まで。入場無料。
 東京五輪・パラリンピックに合わせて同庁が日本文化を発信する「日本博」の一環で、来年までに全国7ブロックで開催予定。本県開催の九州ブロックはアール・ブリュット展をメインに、舞台芸術(映像)や食のイベントを展開する。
 同展では、九州を中心に全国各地から選出された障害者34人(本県4人)の個性あふれる絵画や立体作品など約260点を展示。初日は、インディペンデントキュレーターの真武真喜子さん(69)=北九州市=が作品を解説。本県作家の一人、坂口倫太朗さん(19)=西海市=が描いた長さ約18メートルの絵画「動物の大行進(1)」について、「さまざまな色でいろんな動物が描かれていておもしろい」と述べた。
 九州ブロック実行委員長補佐の松村真美さん(57)は「私たちの想像を超えたすばらしい表現の作品を見て、開放感に浸ってもらいたい」と話した。

鮮やかな色彩の作品に見入る来場者=長崎市、県美術館

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