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イメージを一新し飛躍を遂げた“Z32型”4代目フェアレディZ
時はバブル景気真っ只中の1989年(平成元年)、4代目となるフェアレディZが誕生しました。初代S30型フェアレディZ(1969~1978)が確立した「ロングノーズショートデッキ」というある意味で古典的フォルムは、歴代のフェアレディZで脈々とイメージを継承してきました。
しかしこのZ32のモデルチェンジで、フェアレディZはまた新たな飛躍を遂げた感があります。グッと新しく、グッと未来的なフォルムが与えられ、フェアレディZの新たなイメージを生み出したのです。
今思うと贅沢! 2by2と2シーター、2つのボディタイプを用意
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Z32型は、これまでの歴代モデル同様に2シーターと、4人乗りの2by2というふたつのボディタイプが用意されていました。今思うとわざわざ2つも用意されていたのはとても贅沢に感じられます。
しかもこのZ32型フェアレディZから、従来の5ナンバーサイズを超え3ナンバー専用車となったことも大きなニュースでした。ボディサイズは、2シーターが全長4310mm×全幅1790mm×全高1250mmでホイールベースは2450mm。2by2が全長4530mm×全幅1800mm×全高1260mmでホイールベースは2570mmとなっています。
国産初の280馬力を達成したV6ツインターボエンジンを搭載
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搭載されたエンジンは、当時国産最高の280psを発揮するV型6気筒3リッターツインターボ「VG30DETT」型エンジン。これは日本の自動車メーカーで初の280馬力を達成したモデルとしても歴史に名を残しています。ほかにノンターボのVG30DE型(230ps)も設定されています。
実はこのツインターボエンジンは、1987年の東京モーターショーに参考出品されたミッドシップレイアウトのスーパーカー「MID4-II」用に用意されたもの。MID4は残念ながら市販化されずじまいでした。
Z32型フェアレディZのサスペンションは4輪マルチリンク式。ターボモデルには4輪操舵のスーパーHICAS(ハイキャス)が備わり、比較的大柄なボディサイズながら俊敏なハンドリングを誇りました。
ラウンド形状のインテリアも先進的な印象だった
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インテリアも、コンセプトカー「MID4-II」との共通性が感じられるラウンド形状のインパネデザインや、メーターまわりのサテライトスイッチレイアウトが特徴。いっぽうで、歴代続いてきた3連メーターのモチーフもZ32型では採用されていません。
Tバールーフに加え、初のコンバーチブルモデルも追加
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ノーマルルーフに加え、脱着式のTバールーフが用意されていたのもZ32型フェアレディZの特徴でした。2by2では全車に標準装備となっています。
さらにもっと贅沢なモデルとして、Z32型フェアレディZには2シーターをベースにした国内初のオープンモデル「フェアレディZ コンバーチブル」も設定されました。モーターショーでの参考出品を経て、デビューから3年が経った1992年に追加されています。ロールバーが残る形状のため、フルオープンではなかった点が残念です。
日産の内田CEOもZ32オーナーだった
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2020年9月16日に発表された7代目フェアレディZ プロトタイプ発表の場で、日産自動車の現社長、内田 誠氏もかつてZ32の2by2オーナーであったことが明かされ『Zのファンである私が、今日、このフェアレディZ プロトタイプを発表できることを誇りに思う』とメッセージを残しています。
Z32型は、デビュー時こそ華々しいものでしたが、その後のバブル崩壊や景気停滞、さらには日産の経営不振が重なり、モデルチェンジの計画も頓挫。結果的に2000年まで生産を続けていました。次期型のZ33型の登場は、2年後の2002年になるまで待たなければならなかったのです。
[筆者:トクダ トオル(MOTA編集部)]