長崎県観光客 3年ぶり減 3469万人 外国人落ち込み響く 2019年県統計

長崎県内の観光客延べ数

 長崎県がまとめた2019年観光統計によると、県内各地を訪れた観光客延べ数は3469万4565人(前年比2.3%減)、観光消費額は3652億8千万円(同3.3%減)で、いずれも3年ぶりに減少した。日韓関係の悪化に伴う韓国人旅行客の訪日控えや、クルーズ客船の減少による外国人観光客の落ち込みが響いた。
 観光客延べ数の内訳は、日帰り客数が約1995万4千人(同2.6%減)、宿泊を伴う人の滞在日数を人数に換算した宿泊客延べ滞在数は約1474万1千人(同1.8%減)だった。
 外国人観光客の延べ宿泊客数は約79万1千人(同14.9%減)で大幅に減少。これまで半数以上を占めていた韓国人旅行客が、日韓関係の悪化を受けて同41.0%減の約21万3千人に落ち込んだ。また、クルーズ客船の入港隻数は2年連続で減少し、272隻。乗員乗客数は約98万9千人(同21.0%減)だった。
 観光客延べ数を地域ブロック別にみると、対馬は韓国人客の減少が響き、前年から約30万人減少して約73万1千人(同28.5%減)。長崎・西彼は、クルーズ客船の寄港減少に加え、台風被害で端島(軍艦島)の上陸停止などが影響し、約1054万7千人(同1.1%減)。一方、前年7月に「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」が世界文化遺産に登録されたことを受け、五島ブロックは71万2千人(同7.3%増)だった。
 市町別では、長崎市が約1031万9千人でトップ。佐世保市が約710万6千人、雲仙市が約275万3千人と続いた。
 長崎県の観光客延べ数は近年、好調なクルーズ船寄港などを背景に右肩上がり基調にあった。16年は熊本地震の影響で九州方面への旅行を手控える動きが相次ぎ、5年ぶりに減少した。

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