SUBARUインプレッサが一部改良、「スポーツモデル」の追加に注目すべきワケ

SUBARUは9月17日にインプレッサの一部改良を行いました。注目点はハイブリッドモデル、そしてスポーツモデルの追加にあります。特にスポーツモデルに関しては高性能なのにお買い得という側面を持っています。今回はこのグレードを中心にご紹介します。


大進化を遂げた現行型モデル

まず最初にインプレッサに関して簡単におさらいしておきます。現行型は第5世代となるモデルで5ドアハッチバックの「SPORT(スポーツ)」と4ドアセダンの「G4」を設定します。

特に現在のスバル車の多くに採用されている新世代プラットフォームである「SGP=SUBARU GLOBAL PLATFORM」を最初に搭載したモデルであり、同時に国産初となる歩行者保護エアバッグを採用するなど高い評価を得てきました。発売した年の「2016-17 日本カー・オブ・ザ・イヤー」も受賞しています。

注目はSPORTの追加グレード

今回の一部改良は前述したSPORTが中心、G4に関しては変更はありません。

フロントフェンダー後部に「e-BOXER」のエンブレムを装着します

その中で、SPORTには今回、同社の電動化技術である「e-BOXER」を搭載したグレードを追加したこと。同時に最上級グレードに該当するスポーティモデルの「STI Sport」も追加した点にあります。

ファンだけでなく注目のSTI Sport

新設定された「STI Sport」ですが、過去多くのスバル車に設定され人気となったシリーズのインプレッサ版になります。

STI Sportが人気の理由は足回りなどに代表されるチューニングの上手さにあると言われています。

ただ単純に足回りをガチガチに固めるという考えはもはや過去の物です。STI Sportは快適性をしっかり確保した上で、改めてタイヤをしっかり路面に設置させスムーズなハンドリングを実現してきました。

実際筆者も過去数台のSTI Sportを試乗した経験がありますが、その高いハンドリング性能に対して、常に驚きと共に感動したものです。例えば高速道路を運転中、無駄なステアリングの動きが発生しないことでドライバーの疲労軽減にも寄与します。さらにボディの揺れも少なく、乗員全体が快適に移動できる点などが挙げられます。

まさにプロの仕事

今回は特に足回りに注目です。元々高い剛性を持つSGPにより高い基本性能は確保されています。これに新開発の専用ダンパーを搭載しました。

STIがチューニングしたSHOWA製のSFRDフロントダンパーを装着します

フロントにはサスペンションメーカーとして有名なSHOWA社のSPRDダンパーが採用されています。

少々難しい話になりますが、このSPRDというのは路面から伝わる振動(周波数)に応じて乗り心地を左右する減衰力を“自動調整”する点になります。

これをSTIがインプレッサ専用にチューニングを実施。SUBARUによれば、急な車線変更を行った際でも車両自体の安定性がしっかり確保でき、さらに通常走行時でも路面に張り付くような安心感が実現できるそうです。

ベース車両の性能の高さはもちろんですが、STIによるチューニングはまさに「匠=プロの仕事」と言えるものです。

注目はFF車が設定されること

SUBARUといえばやはりAWD(4WD=四輪駆動)です。しかしインプレッサには元々FF車も設定されています。

AWDの素晴らしさはこれまでも高く評価されていますが、STI Sportには2WD(FF)車も設定することで何よりも価格を抑えることができます。

あくまでも発売前の筆者調べなので最終価格はまだ確約できませんが、このSTI SportのAWD車の価格は292万6,000円とのことです。冒頭に書いたようにこのグレードがインプレッサの最上位と位置されることからも最も価格の高いインプレッサになります。

では2WD車はいくらなのか? 価格は270万6,000円とのことです。その価格差は22万円。AWDであれば車両価格が上がるのは当然のことですが、2WD化により車両重量も50kg前後軽くなります。軽量化によるメリットは軽快さの向上だけでなく、実用燃費でもAWDよりは良くなります。

何よりも走りのプロによるチューニングが施された中身を見れば見るほどそのお買い得感が伝わってきます。

ちなみにSUBARU車ですから先進運転支援システムである「アイサイト」は標準装備されます。唯一のメーカーオプションは後側方の警戒支援やハイビームの照射範囲を自動でコントロールする機能をパッケージ化した「アイサイトセイフティプラス」くらいです。もちろんこれもオススメのオプションであることは言うまでもありません。

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