ローリング・ストーンズ「(I Can't Get No) Satisfaction」メンバーが語る初の全米1位曲

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キース・リチャーズがモーテルの部屋で書いたことで広く知られるギター・リフが印象的な曲「(I Can’t Get No) Satisfaction / サティスファクション」は、ザ・ローリング・ストーンズがイギリス、アメリカ両国のシングル・チャートで首位を獲得した初めての曲になった。

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1965年の初夏までに、ローリング・ストーンズは米ビルボード誌のシングル・チャート100位圏内に6度に亘ってランクインした実績があったが、トップ10圏内に入ったヒット曲はまだ2曲だけだった。前年である1964年の後半にリリースした「Time Is On My Side」と1965年5月にリリースしていた「The Last Time」がその曲だ。

そして6月12日、ストーンズの「 (I Can’t Get No) Satisfaction」はアメリカのシングル・チャートに初めてエントリーした。ロック史上指折りに有名なイントロを持つ絶対的な名曲だ。同曲はストーンズ初の全米1位シングルとなり、英米両国で首位を獲得した初めての曲になった。

 

「キースが真夜中に目を覚ました」

「 (I Can’t Get No) Satisfaction」のリフは、キース・リチャーズがモーテルの部屋で書いたことで有名だ。後年、ビル・ワイマンは以下のように回想している。

「リフを思いついたキースが真夜中に目を覚まして、テープに録音した。次の朝、ミックがそのリフに合うのは”I Can’t Get No Satisfaction  (俺は満足できない) ”ってフレーズだと言ったんだ」

ストーンズの第2のホームグラウンドといえるシカゴのチェス・スタジオで5月10日にレコーディングを行ったとき、この曲にはブライアン・ジョーンズが奏でるハーモニカが入っていた。キースは次のように語る。

「最初にあの曲をレコーディングしたとき、俺は十分に”満足  (Satisfaction) ”を得られなかった。そのとき録ったものにはハーモニカが入っていて、それはせいぜいシングルのB面かアルバムの収録曲かってくらいの仕上がりだったからね」

その2日後、ハリウッドのRCAスタジオで、ストーンズは我々のよく知るあのヴァージョンを制作した。ロック史の1ページが作られた瞬間だ。1965年9月、NME誌の取材に対してキースがこう説明している。

「チャーリーがテンポを変えて刻んだ。ファズ・エフェクターを使ったことで、高音域がそぎ落とされて、えらく面白いサウンドに仕上がったんだよ」

”熱狂  (Shindig) ”の始まり

5月20日、ストーンズの面々は、アメリカのテレビ・ショー「Shindig」に出演し、チェス・スタジオでレコーディングしたヴァージョンに合わせ、「 (I Can’t Get No) Satisfaction」を当て振りで披露した。その後、6月になってこの曲は、アメリカでシングルとしてリリース。母国イギリスでこの曲をA面に配したシングルがリリースされたのは、それから2ヶ月以上経ってからのことだった。

「 (I Can’t Get No) Satisfaction」は当初米ビルボード・チャートに67位でランクインした。同週に初登場した11曲の中で最高の順位だ。同時にランクインしたシングルにはキンクスの「Set Me Free」やウェイン・フォンタナ&マインドベンダーズの「It’s Just A Little Bit Too Late (遅すぎたプロポーズ) 」といった英国勢の新曲も含まれている。ストーンズのこの曲は、全国のラジオ局でオン・エアされ、すぐにその勢いは止められなくなった。2週目には26位に上昇し、その後も4位、2位と順位を上げた。そして第5週に首位を獲得し、7月の間は1位に留まり続けた。

 

『Out Of Our Heads』

「 (I Can’t Get No) Satisfaction」は数々のラジオ局でその年の年間ナンバー・ワンに君臨していた。シカゴのWLS、セントルイスのKXOK、デトロイトのWXYZ、ニューヨークのWABCでは、ビートルズの「Help!」を抑えて首位になった。この曲は、ストーンズの新作『Out Of Our Heads』の米国盤に収録され、全米アルバム・チャートでも1位を獲得したが、同名の英国盤にこのヒット曲は収録されなかった。イギリスでは8月にデッカからシングルとしてリリースされると、9月11日には全英1位を獲得。同曲はソニー&シェールの「I Got You Babe」から首位の座を奪い、2週連続でその位置を守った。

この曲がチャートの1位になった国を挙げれば、地理の授業のような様相になる。アルゼンチン、オーストラリア、オーストリア、バミューダ、ブラジル、ブルガリア、ビルマ (ミャンマー) 、チェコスロバキア、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、イギリス、ギリシャ、香港、ハンガリー、アイルランド、イスラエル、イタリア、日本、レバノン、ルクセンブルク、マレーシア、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、フィリピン、ポーランド、ポルトガル、南アフリカ、シンガポール、スペイン、スウェーデン、スイス、トルコ、アメリカ、ユーゴスラヴィアのすべてで1位になったのだ。

「 (I Can’t Get No) Satisfaction」は”Grammy Hall of Fame  (グラミーの殿堂) ”、”Rock and Roll Halls of Fame  (ロックンロールの殿堂) ”双方の然るべきポジションに収まっている。また、ローリング・ストーン誌が2004年に選定した”500 greatest songs of all time  (史上最も重要な500曲) ”では2位にランクしている。同曲が、今もストーンズのコンサートでは例外なく披露されているという事実も、これが不朽の名曲である証左となろう。

Written By Paul Sexton