こんなグロテスクな番組が人気に? ニキビ潰し映像に見入るアメリカ人

ティーンエイジャーにとって最大の悩みのひとつが、ニキビ。成人でも顔や体にあるニキビや吹き出物に悩む人は多い。そんな中、どんなニキビも見事にスッキリと取り除いてしまう美人皮膚科医の存在がインターネット上で広まり、アメリカでは「その女医がニキビを潰す映像を見ること」がサブカルチャー的な人気を誇っているという。

ニキビを潰す快感を得たいフォロワーが増大

「ドクター・ピンプルポッパー」と呼ばれる皮膚科医が、アメリカでサブカル的な人気を博している。ピンプル(Pimple)とは「ニキビ」、ポッパー(Popper)は「ポンポンとはじく人」、つまり「ニキビをポンポンと潰す医者」というニックネームを持つのが、カリフォルニア州で皮膚科を営むサンドラ・リー女医だ。

実は以前からインターネット上では、自身のニキビや吹き出物を潰す映像を公開するコミュニティーが小さいながら存在していたという。

ただ、そういう動画を公開している人の多くが不潔な環境でニキビを潰していることに気づいたリー医師が、「清潔な環境でプロが施術すると、これほど簡単に潰せる」ことを伝えるために自身のYouTubeチャンネルを開設。そこで自分が患者の「黒ニキビをスッキリ出す」様子を撮影したビデオを放映すると、「スッキリと取り除いてしまう爽快感が堪らない」、「最初はギョッとするが、見始めたら止まらなくなった」、「達成感が得られる」など大反響で人気が爆発。大手ワシントンポスト紙で「ネット上でのサブカルチャーを生み出した」と報道されたほど話題になった。

話題沸騰でドクターの冠TV番組まで登場

リー医師のYouTubeサイトは海外からのアクセスも含めて400万人に達し、フェイスブックのフォロワーは200万人、インスタグラム280万人、ツイッターでは9.1万人のサブスクライバーを持つほどになり、今もなおファンは増え続けている。その人気のすごさに気づいた米ケーブルTV局のTLCがオファーを出して、とうとう同TV局で冠番組まで登場。ちなみに番組の初回プレミア放映は240万人が視聴したヒット番組となった。

この人気に便乗して、リー医師はSpin Master Games社と共に「Pimple Pete Game」なる、ニキビ潰しゲームまで開発。今月後半からのアメリカのホリデーシーズンを見据え、すでに米Amazon.comの「Holiday Toy List」(クリスマス・プレゼントの提案)にも載っている。アマゾンでは$16.88(約1,700円)だが、大手量販店のウォルマートやターゲット等でも取り扱っているという全米展開だ。

すでに類似品も登場しており、なかでも肌のような素材の上のプチプチを潰して中身を出すことを繰り返す「Pop It Pal」という商品には、多人種からなるアメリカらしく、肌の色の選択肢もあり、定価は$19.99(約2,200円)。同商品の紹介映像はこちら。もし今年のクリスマス・プレゼントにこの商品が届いたら、きっと多くの人が驚愕するだろう。

リー医師によると、ニキビを潰すことをやめられない人は「popaholics」と呼ばれ、そして「その様子を見ること」をpopaholicismと呼ぶそうだが、固有名詞をつけられても、それがグロテスクであることは変わらない気がする。幼い頃に夢中になって遊んだ「空気が入った丸いプチプチがついたビニール梱包材をつぶしていく快感」のようなものなのだろうか?

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