【詳細解説】内閣支持率も自民党支持率も上昇!? 2020年9月電話・ネット意識調査

選挙ドットコムでは、9月12日(土)・13日(日)に日本国内の18歳以上の方を対象としたハイブリッド調査(電話調査とインターネット調査を同じ設問で同時に行う方式)による全国意識調査を実施しました。
電話調査(JX通信社と共同実施)では1,025件、インターネット調査(Gunosyリサーチを使用)では1,000件の有効回答を得ました。

「選挙ドットコムちゃんねる」でもJX通信社の米重さんが出演し、今回の調査について解説をしてくださいました。
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自民党が電話調査とネット調査でUP!?

ハイブリッド意識調査(電話×ネット)による政党支持率(令和2年9月)

普段支持している政党について質問をしたところ、上記の表の通りの結果となりました。これまでと同じく、電話調査・ネット調査ともに「支持政党がない」という回答の次に「自民党」支持層が多い結果になっています。

自民党はネット調査で4.6ポイント上昇しています。これは大きな変化といえます。電話調査でも1.8ポイント上昇していますが、意識調査では3ポイント以下の変化はほぼ横ばいとされているので、支持率がUPしたとは言い切れません。

その他の政党については大きな変化がなかったと言えます。

これらについて解説として出演したJX通信社の米重氏は「立憲民主党が電話調査で1.9ポイント減少しているが、これも大きな差とは言えず、新立憲民主党にあまり期待が集まっていないという解釈ができるわけではない。9月はあまり大きな変化がなかった月と言える。」としています。

また、電話調査とネット調査の結果を比べたときに、ほとんどの党がネット調査で支持率が低くなっていますが、国民民主党は電話調査とネット調査の結果が同数れいわ新選組とNHKから国民を守る党はネット調査の方が支持率が高くなっています。これらも一つの特徴と言えます。

内閣支持率は「支持」が増加、「不支持」が減少

内閣支持率は、「強く支持する」が10.1%、「どちらかと言えば支持する」が26.3%、「どちらとも言えない」が28.1%、「どちらかと言えば支持しない」が14.4%、「全く指示しない」が21.1%となりまし。内閣支持率は「支持」が「支持」を 0.9ポイント上回りました。

ハイブリッド意識調査(電話×ネット)の8月・9月の比較

また先月と比較をすると、「不支持」が減少し、「支持」が増加しています。そして、不支持の中では「全く支持しない」が「どちらかと言えば支持しない」を上回っている状態に変化はありませんでした。

これまでの内閣支持率の推移です。選挙ドットコムがハイブリッド調査を開始した昨年11月から、今年1月頃までは内閣支持率は4割弱を維持していました。しかし、新型コロナウイルス感染症の対応の影響もあってか、2月からは不支持が増加し始め、6月にかけて不支持が増加傾向にありました。

しかし、9月の調査では大幅に支持が増加し、不支持が減少しました。

ハイブリッド意識調査のネット・電話の比較

ネット調査と電話調査の比較は上の図の通りです。ネット調査では「支持」が32.7%、「どちらとも言えない」が32.6%、「不支持」が34.7%となりました。

電話調査では「支持」が40.0%、「どちらとも言えない」が23.8%、「不支持」が36.2%となりました。

電話調査・ネット調査ともに、支持が10ポイント程度増加しています。

ハイブリッド意識調査(電話×ネット)の年代別比較

年代別にクロス分析は上の図の通りです。「18・19歳」「20代」「80代」はそれぞれ全体の10%にも満たないため参考値となります。

60代と70代以外では支持が不支持を上回りました。

30代~60代で見ると、年代が上がるにつれて「どちらとも言えない」という回答が減少していることが分かりました。年代が上がるにつれて「内閣の支持・不支持」がはっきり分かれる傾向が見て取れます。

ハイブリッド意識調査(電話×ネット)の支持政党別比較

支持政党別でみると「支持する政党はない」と答えた層では、「不支持」が「支持」を15ポイント程度上回りました。

与党・自民党の支持層では「支持」が「不支持」を約62ポイント以上も上回りました。また、同じく与党の公明党の支持層でも「支持」が「不支持」を約44ポイント上回りました。

憲法改正に対する姿勢などでは自民党と比較的立場が近い日本維新の会の支持層でも「支持」が「不支持」を大きく上回りました

そして、その他の野党各党でも「不支持」が「支持」を上回っています。

全体のまとめとして、米重氏は「電話調査でも、ネット調査でも10ポイント程度上昇している。これは『安倍政権、お疲れ様でした』という世論の現れ、花道相場と言える。」としています。

その他にも様々な調査結果が!

9月のハイブリッド調査では、この他にも「合流新党について」、「消費減税について」、「大阪都構想について」、「次期衆議院議員選挙の比例投票先」などの調査を行っています。これらの調査結果は記事として後日リリースしますので、ぜひご覧ください。

今後も選挙ドットコムでは毎月定例で意識調査を実施し、みなさまにお伝えしていきます。また、選挙ドットコムのハイブリッド意識調査では、これまでわからなかった全世代の声を集めることができます。ご興味がある方はぜひお問い合わせください。

ネット調査と電話調査の回答者に占める年代別割合について

調査の回答者の年代別の割合は上記のグラフの通りです。ネット調査では、回答者の7割以上を40代以下で占めており、比較的若い年代層の意識を抽出しています。また、電話調査では、回答者の7割以上を50歳以上で占めており、比較的高い年齢層の意識を抽出しています。

参考として昨年の7月に行われた第25回参議院議員通常選挙の投票者に占める年代別の割合も掲載しました。50代以上の投票者が7割近くを占めており、現段階では電話調査の方が投票者に近いサンプリングとなっています。

しかし、電話調査だけでは40代以下のサンプルをなかなか獲得することができません。選挙ドットコムのハイブリッド調査ではネット調査も同時に行うことにより、電話調査だけでは見えてこない若い世代の意識も抽出するように心がけています。

調査概要:調査は令和2年9月12日(土)と13日(日)に実施。日本国内の18歳以上の方を調査対象とし、有効回答数は電話調査(JX通信社との共同実施)で1,025件、インターネット調査(Gunosyリサーチを使用)で1,000件を取得。電話調査は無作為に電話番号を発生させるRDD方式をオートコールで実施。ネット調査ではスマートフォンアプリのダウンロードユーザーを対象にしたアンケートツールにより実施。各数値は小数第2位以下を四捨五入。

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