王者の意地を見せられるか? 専門家が期待する西武の危機を救う元キング助っ人の存在

西武のエルネスト・メヒア【写真:荒川祐史】

専門家は「メヒアと中村の長打で得点力を上げること」と指摘

■西武 5-4 楽天(25日・メットライフ)

西武は25日、本拠地で楽天を5-4で下し、楽天の連勝を5で止めた。23日の日本ハム戦から4番に座っているエルネスト・メヒア内野手が2安打3打点の活躍。不振の山川に代わって4番を任されている助っ人が久々に存在感を見せた。これで西武は38勝42敗2分。現役時代、巨人で活躍し、楽天でヘッドコーチを務めた野球評論家の松本匡史氏は、5位西武がCS出場権を獲得するためにはメヒアの活躍が不可欠だといい「山川ら不調な打者が多い中、メヒアと中村が長打で得点を重ね、大型連勝をすれば、チャンスは出てくる」と話した。

メヒアが久々に仕事をやってのけた。先頭で迎えた2回に四球で出塁すると、0-1で迎えた4回には無死一、二塁のチャンスで同点となる中前適時打。さらに1-2で迎えた5回にも2死一、三塁から右翼フェンス直撃の2点適時打で逆転に成功すると、続く中村の右翼フェンス直撃の二塁打の間に激走をみせ、一塁から一気に本塁に生還。7回は1死一塁から遊併に終わったが、6番を打った11日のソフトバンク戦以来、2週間ぶりに打点を挙げ、チームを勝利に導いた。

この日のメヒアについて、松本氏はこう分析する。

「塩見に相性がいいのもあるが、ボールの見方が良かった。中前打はフォークにしっかり食らいついた。これまでなら空振りしていたボールだったが、タイミングを合わせ、しっかりボールを捉えた。その後の打席もしっかり逆方向へと対応した。(7回の)牧田に対しては、併殺打になったが、しっかりした当たりが正面に行ってしまっただけ。スライダーへの対応はそこそこよかった」

「今後、4番を含め、選手の使い方をどうするか」

メヒアは、相手投手によって打てるか打てないかがはっきりしている傾向があり、低めの変化球に対する対応力が低いと松本氏は言う。そして、バッティングは引っ張り傾向にあるが「センター、ライト方向に結果が出せるともっと良くなる」といい「この日のような形のバッティングができれば、これから先は楽しみだ」と話す。

現在、西武は山川が不振でスタメンを外れている状態。この日は2014年に本塁打王を獲得したメヒアがその穴を埋めた形となったが、外崎、森も調子を落としており、打線がなかなかつながらないのが今の西武だ。そのため松本氏は「山川が不在となると、長打が打てる打者はメヒアか中村しかいない。この2人が長打を打たないと、得点力がなかなか上がっていかない」と、現状を分析する。

「源田はそこそこ良くなってきているので、源田、スパンジェンバーグがつないでくれると、4、5番が返せる。さらに、下位から上位にもつながると得点力は上がるが、今は外崎はタイミングがまったく合っておらず、ずっとヒットが出ていない状態。結果を欲しがって開きが早くなっている。森も調子が悪い。昨日は山野辺はよかったが、今後、4番を含め、選手の使い方をどうするかですね」

西武は残り38試合。首位ソフトバンクとは8差、2位ロッテとは7差があり、逆転でのCS出場権獲得は容易ではないが、まだ可能性が閉ざされた訳ではない。松本氏は「6連勝、9連勝といった大型連勝をしていけば、チャンスも出てくる。そのためには得点力を上げないといけない。勝ちパターンの投手陣はいいので、負けている試合で逆転するためにどうするか。さらに得点力を上げることが必要なので、この日のような戦い方ができれば、上位浮上のチャンスも増えてくると思います」と、今後を展望する。

18、19年とリーグ2連覇中の西武。今季はここまで下位に低迷しているが、王者の意地を見せれば、ここからの上位浮上もまだまだ不可能ではない。(Full-Count編集部)

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