シンプルで洗練された雰囲気を演出するグレーインテリア。無彩色のグレーはさまざまなカラーとの相性に優れ、インテリアコーディネートにおいて重宝する便利な色です。本記事では、グレーカラーの基礎知識と魅力、グレーを取り入れたコーディネートのコツを紹介します。
部屋のコーディネート、色に迷ったらグレーがおすすめ
インテリアコーディネートの定番色といえば、白や黒などの「無彩色」。無彩色をベースにインテリアを揃えると、おしゃれでモダンな部屋に仕上がります。一方で、シックな印象の部屋や、やわらかい雰囲気の部屋にしたいなら、白と黒の中間色であるグレーが最適です。
グレーはどの色とも相性がよく、シンプルで居心地のいい空間を作るのに適しています。とくにソファやラグなど、部屋のアクセントとなるインテリアはグレーで統一すると、きれいにまとまります。
グレーは明度でまったく違った印象に
グレーと一口にいっても、シルバーグレーやパールグレー、スレートグレーなどの種類があります。その違いは、色の明るさ・暗さの度合いを示す「明度」です。同じグレーであっても、明度が変わればまったく違った印象になります。
インテリアコーディネートの基本は、明度を考慮して色を選ぶことです。グレーの場合、明度が高いシルバーグレーやスカイグレーには部屋を広くみせる効果があり、明度が低いスレートグレーやチャコールグレーは、部屋を狭くみせます。
グレーがおすすめな理由に「コーディネートで失敗しにくい色」であることがあげられます。グレーは白・黒と同じ無彩色の一種です。たとえ明度が異なるグレー同士のインテリアを設置しても、空間に違和感なく溶け込みます。インテリア選びで失敗するリスクが減るため、初心者も扱いやすいのがメリットです。
クール、シック、引き締まった印象をつけたいなら暗めのグレー
ダークグレーを筆頭に、クールで引き締まった印象をつけたいなら明度が低いグレーを取り入れるのがおすすめです。壁紙・ソファ・クッション・ラグなどをダークグレーで統一すると、まるで海外ホテルのようなラグジュアリーな空間になります。
グレーの割合が増えることで、メンズライクな雰囲気も演出できます。ただ、部屋が狭い場合は、もう少し明るめのグレーを使うのがおすすめです。暗めのグレーは空間を狭く感じさせるため、部屋の広さに注意しましょう。
かわいく優しい印象をつけたいなら明るめのグレー
北欧風のレディースライクな部屋では、明度の高いライトグレーを用いる傾向にあります。ダークグレーなどに比べてかわいらしく、優しい雰囲気になるのが特徴。とくにライトグレーは、無垢材などの自然素材と相性がいい色です。ソファやクッションをはじめ、空間のアクセントになるインテリアは、ライトグレーで統一してみてください。
とことんグレーにこだわるなら明暗両方を取り入れる
ひとつの空間に明暗の異なるグレーを取り入れる「モノトーンインテリア」もおすすめです。たとえば、チャコールグレーの壁紙にダークグレーのソファとラグ、ライトグレーのクッションなど、複数のグレーを少しずつ取り入れてみましょう。
豊かなグラデーションが立体感を生み出し、部屋に奥行きを感じさせてくれます。とことんグレーにこだわりたいなら、カラートーンにこだわって色を選択してください。
グレーの取り入れ方
カラーコーディネートでは、「ベースカラー」「メインカラー」「アクセントカラー」の3色を使い、空間にメリハリをつけていきます。それぞれの意味については以下の通りです。
・ベースカラー:部屋のベースとなる色。全体の70%が目安
・メインカラー:部屋のテーマとなる色。全体の20~30%が目安
・アクセントカラー:空間を引き締める色。全体の5%が目安
インテリアにグレーを取り入れる際も、上記3色のどれに当てはめるのか考えるのが大切です。ベースカラーは壁・床・天井の色がかかわってきますので、ここでは、メインカラーとアクセントカラーにおけるグレーの取り入れ方を解説します。
グレーをメインカラーにする
グレーをメインカラーにする場合、「室内で目立つ箇所・インテリア」に取り入れるのが基本です。ただ、グレーの面積が多いと空間が狭く感じたり、重い印象を受けたりするため、色のバランスに配慮してください。
アクセントクロスで壁紙の一部をグレーに
アクセントクロスを活用し、壁の一部分にグレーを取り入れるパターン。基本色は白やベージュで統一し、部分的にグレーを取り入れる形です。壁全面をグレーにすると、部屋の広さによっては手狭な印象を受けるので注意しましょう。ある程度の広さを確保できるリビングで使いたいテクニックです。
ソファ、カーテン、ラグ、シーツなど目立つものをグレーに
ソファやカーテン、ラグやシーツなど、面積の大きなインテリアにグレーを取り入れると、アクセントカラーにする場合に比べ、視覚的なインパクトのある部屋に仕上がります。モノトーンの部屋を目指すなら、このインテリアにグレーを取り入れましょう。
グレーをアクセントカラーにする
空間の引き締め効果があるアクセントカラーは、ベースカラーやメインカラーに溶け込まない色を選ぶのが基本です。グレーの場合、反対色に近いホワイトやベージュを組み合わせると、空間にメリハリが生まれます。ソファのような大きな家具ではなく、小さめの家具・小物類をアクセントにしていきます。
クッション、収納、照明などアクセントになる家具をグレーに
クッションや収納家具、照明などにグレーを取り入れて、それぞれを空間のアクセントにするパターンです。グレー自体は主張性の低い色ですが、配色を工夫すればしっかりと目立ちます。
ただ、グレーが多いと重く、無機質な印象になるもの。ある程度軽やかさを出したいなら、ピンポイントで取り入れるのがおすすめです。
食器、タオルなど小物をグレーに
食器やタオルをはじめ、小物類をグレーに統一します。ただ、グレーばかりでは単調になりやすいため、シルバーの小物類を取り入れる方法もおすすめです。グレーにかかわらず、同系色のアイテムを上手に使うことで、飽きのこない空間に仕上がります。
グレーインテリアに合う小物もコーディネートしよう
グレーインテリアを作るときには、小物にもこだわってみましょう。ここでは、グレーインテリアに合う小物の種類とコーディネートテクニックを紹介します。
観葉植物や花
グレーインテリアはスタイリッシュな反面、その色合いから無機質な印象になりがちです。「もう少し温かみが欲しい……」と感じたら、部屋の一画に観葉植物や花などのグリーンを置いてみてください。おすすめは、やや濃いめの葉を持つ品種です。スモーキーな風合いがグレーインテリアによくなじみ、空間も引き締めてくれます。
絵画やポスター
グレー系のポスターや絵画を飾り、メインカラーとして主張するテクニックがあります。ホワイトやベージュなど、カラートーンが近い壁に飾るのがおすすめです。サイズが大きめのポスターなら、部屋の主役にもなります。
木製などの天然素材
グレーインテリアは、天然素材との相性が抜群です。フローリングやキッチン雑貨など、木の温かみがグレーの無機質なイメージをやわらげます。茶系のアイテムとグレーインテリアの調和は美しく、絶妙なバランスでまとまります。
ステンレスなどのシルバーカラー
空間に華やかさをプラスしたいときは、ステンレスなどのシルバーカラーの小物をチョイスしましょう。ただし、キラキラとしたシルバーを取り入れすぎると落ち着かない空間になることがあります。全体のバランスをみながら小物を並べてください。
色をかけ合わせやすいのもグレーをおすすめするポイント
無彩色のグレーは、さまざまなカラーと相性がいい色です。「ホワイト×ブラック」のモノトーンを基本に、組み合わせる色によって見た目の印象が変わります。最後に、インテリアコーディネートの参考として、グレーと相性のいい組み合わせを紹介します。
定番のグレー×ホワイト×ブラックのモノトーン
グレーコーディネートは、白・黒・グレーの無彩色を組み合わせたモノトーンが基本です。ホワイトのベースカラーに対し、メインカラーにグレー、アクセントカラーをブラックにすると、きれいにまとまります。落ち着いた空間にしたいならグレーとブラックを多めに。開放感や明るさが欲しいなら、少なめにするのがおすすめです。
グレー×ベージュならナチュラルな印象に
「グレー×ベージュ」で優しく、ナチュラルな雰囲気にするのもおすすめです。ベージュの壁・天井・床材を基軸に、アクセントとしてグレーを使うとバランスがとれます。さらに女性らしさを演出したいときは、淡いピンクのインテリア・小物を取り入れてみてください。ピンクはベージュ・グレーともに相性のいい色で、空間を引き締める効果があります。
グレー×ピンクでかわいい部屋に
「グレー×濃いめのピンク」の組み合わせで、ガーリーな「お姫様空間」が作れます。かわいらしさを前面に出したいなら、グレーはやや控えめにするのがコツです。カーテンやラグなど、ピンクのアクセントになるグレーインテリアを活用してください。
グレー×ブルーで爽やかさをプラス
「グレー×ブルー」のインテリアで、落ち着きがありながらも爽やかな空間を演出できます。なかでも彩度と明度が低いブルーグレーと組み合わせるのがおすすめです。ベースカラーはグレーで、壁の一部分やソファ、インテリアにブルーを取り入れるとうまく調和します。涼し気で上品な印象のインテリアを目指すなら、ぜひグレーとブルーを組み合わせてみましょう。
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