12畳のリビングダイニングは狭い?おしゃれにレイアウトできる「配置パターン」を実例付きで紹介

ファミリー向けのマンションで多いのが12畳のリビング・ダイニング。初めて見たときは広いと思っても、いざ家具を配置してみると、案外狭く感じてしまうもの。家族で団らんのひとときを過ごすリビングダイニングだからこそ、ゆったりできる場所にしたいものです。

部屋は家具の配置で広さの感じ方が全然違います。今回は12畳の部屋を広くおしゃれに見せるアイデアを紹介します。ひと口に12畳の部屋といってもいくつかパターンがあります。自分の家の部屋に近いレイアウトを参考にしてください。

12畳リビングのレイアウトは大きく分けて3パターン

まずは12畳リビングの3パターンについて紹介します。12畳の広さとは、建築様式によっても微妙に変わりますが2700×7200mmほど。そして、リビング・ダイニングの基本レイアウトは、12畳の部屋をそれぞれ6畳ずつリビングとダイニングに分けて考えます。「食事をする場所」であるダイニングと、「くつろぐ場所」であるリビングをどう分けるか、もしくは分けずに考えるかが、レイアウトのポイントです。

① リビング・ダイニング独立型

まずひとつ目のレイアウトは、リビングとダイニングを独立して考えるスタイルです。

リビングとダイニングの空間を分けるスタイル

「食べる」と「くつろぐ」を完全に分けて考える独立型は、家族それぞれの生活スタイルを重視したい方におすすめのレイアウト。縦長の間取りの場合、キッチンのあるリビングに背を向けるようにソファを設置したり、リビングをL字型ソファで囲ってくつろぐようなレイアウトです。

リビングにいる家族は娯楽や団らんに集中でき、ダイニングにいる家族は食事に集中できます。家族で集まって食事をする機会が少なかったり、趣味や娯楽に没頭したい家族におすすめです。

② リビングダイニング一体型

リビングとダイニングに一体感のある家具配置は、食事も趣味も一緒に楽しみたい家族におすすめのスタイル

ふたつ目は、独立型とは対象的にリビングとダイニングを一緒に考える一体型のスタイルです。

リビングとダイニングの空間を分けないスタイル

「食べる」と「くつろぐ」をどちらも臨機応変に対応できるスタイルです。リビングとダイニングの概念はありつつも、空間を明確に区切らず、行き来しやすいように家具を配置します。家族で集まって食事や娯楽を楽しみたい家族や、TVを観ながら食事をしたい、もしくは小さい子どもを常に見守っていたい家族におすすめです。

③ リビングダイニング境界無し型

リビングの空間を確保しながらダイニングとの「仕切り」は設けないスタイル。コミュニケーションの時間を大切にしたい家族に

最後に紹介するのは、リビングとダイニングを区切らない境界なしのスタイルです。

リビングとダイニングの空間分けはしているが「仕切り」のないスタイル

12畳の広さを最大限に活かし、リビングとダイニングの境界線を作らない新しい発想のスタイルです。12畳のダイニングと錯覚しそうなくらい、ダイニングテーブルをメインに配置しながらも、くつろぎの空間である要素をしっかり取り入れます。

12畳の部屋の形の3タイプ

12畳の部屋の使い方を紹介しましたが、部屋の形にも気をつけましょう。12畳の部屋には大きく縦長と横長がありますが、それぞれ特徴が違います。どのような特徴があるのか把握して、家具を配置したりインテリアを配置します。また、ファミリーとひとり暮らしでは、12畳の部屋を使うポイントが違います。ひとり暮らしで使う要素も紹介するので参考にしてください。

① 縦長の部屋の場合

「縦長」とは文字通り、縦に長い間取りのことです。奥行きが長い長方形になっており、日本では主流のタイプ。様々なレイアウトが可能ですが、奥行きがあるため、窓から遠くなるにつれて光が届きづらく、暗くなるという特徴もあります。また、生活の動線を考えずに家具を配置すると、動きづらい部屋になってしまうので注意が必要です。

家具を壁側に寄せて空間を作るなど、部屋を広く見せる工夫があります。対面キッチンとダイニングの配置も大切です。対面キッチンとダイニングテーブルを付ける配置や、少し離してT字状に配置するパターン、左右どちらかの壁際にテーブルを寄せるパターン、あるいはカウンターテーブルを取り入れるなど、様々な配置方法があります。

② 横長の部屋の場合

「横長」タイプの部屋は、部屋全体に窓からの日差しが届きやすい。テレビは直角に配置すれば、画面に光が反射するのを避けることができる

「横長」とは横に長い間取りで、奥行よりも幅が長い長方形になっています。横長のポイントは部屋全体に光が入りやすいこと。テレビは光の影響を受けないよう、窓と直角に配置しましょう。また、横長の部屋は対面キッチンから見えにくいスペースがあります。例えば対面キッチンからテレビを見たい場合は、テレビの向きを工夫しましょう。

横長の部屋はリビング・ダイニングそれぞれ独立させたレイアウトがおすすめです。それぞれのスペースがはっきりしていないと、リビング全体を見たときに曖昧なレイアウトになってしまうからです。

③ ひとり暮らしの場合

ひとり暮らしの場合は、ワンルームにリビングだけでなく、寝室などの機能ももたせることもあります。そのため、家族向けのリビング以上に家具が増える場合も。12畳という広さは、ひとり暮らしにはほぼ不自由のない広さですが、家具を配置してみると狭く感じてしまうこともあります。

ひとり暮らしの12畳リビングを広く見せるポイントとしては、家族向けのリビングと同様、壁面に家具を配置するなどしてまとまったスペースを取ること、できるだけ床が見えるようにすることです。また、背の低い家具の方が、部屋が広く見えますので、家具の高さを揃えるのもいいでしょう。

12畳リビングのレイアウト。「狭く見せない」ポイントとは?

12畳のリビングは部屋に配置できる家具が多いため、家具の選び方ひとつで広くも狭くも見えます。実際に空間に余裕をもたせることも大事ですが、部屋を見た時の印象も重要です。どのような家具を選べば狭い印象を与えないのかを解説します。

ソファやテレビ台は視界を遮らない「ロータイプ」を

高さのあるテレビ台やソファはそれだけでも圧迫感を与え、実際以上に部屋を狭く感じさせます。部屋を広く見せるには、家具は100cm以下に揃えましょう。空間に余裕ができ、開放感のある印象を与えます。高さのある家具を置く場合は、視界を遮らない壁際に置くなど、配置に工夫してください。また、ソファはI字よりもL字の方がコンパクトに見えるのでおすすめです。

家具を置きすぎず、床の面積を多く見せる

家具を少なくすれば部屋は広くなります。その際、家具は脚付きのタイプを選びましょう。部屋の広さの印象は床が見える面積に比例するため、同じくらい家具を置いていても、脚付き家具のほうが広く見えるからです。

さらに、家具は細い脚のタイプがよりおすすめです。配置方法は、まとめてもバラバラにしても、床が出る面積は変わりませんが、所々に床が見えるよりも、大きくまとまって床が見えるほうが効果的です。可能な限り家具をまとめて配置して、床面積を広く確保しましょう。

透明感のある家具、機能付きの家具を選ぶ

ガラス素材などの透け感のある家具には、空間を広く見せる効果が。伸縮テーブルは来客時のみ広げて活用できる機能性タイプ

天板がガラスになっているデスクなど、透明な家具は視線の抜けを感じさせるため部屋を広く見せる効果があります。テーブルなどを選ぶときはガラス素材を候補に入れましょう。また、収納付きのテーブルやソファなど、機能付きの家具を選ぶことで、家具の数を減らせます。伸縮タイプのテーブルは、来客時だけ広げて、普段は小さいままで使えるのでスペースの節約が可能です。

家具やファブリックのカラーリングを統一する

家具の色で部屋の印象は大きく変わります。多くの色を使うよりも、色彩を統一することで部屋に広がりを感じます。中でも白やベージュなどは膨張して見えるので、部屋が広く感じます。さらに家具だけでなく、壁紙や床の色も簡単に変えることができます。最近では手軽に貼れる張り紙が販売されているので、イメージチェンジに活用しましょう。

また、ラグやマットでも部屋を広く見せられます。ただし、ラグやマットは床を隠すことになるので、使い方によっては狭い印象を与えることになります。最近では、置くだけのフロアタイルを使用して、簡単に床の印象を変えられるので、床のDIYもおすすめです。

遠近法を使った家具の配置

部屋に奥行きを出すには、遠近法を用いた家具の配置がおすすめです。ドアから入って背の高い家具から低い家具へと順に配置していくと、視線の先が広がります。逆に部屋の奥の方に背の高い家具を配置すると、部屋の手前に空間はできますが、奥側の空間が詰まっているので広がりを感じません。家具は入り口近くに配置して、入り口から遠い場所には家具を置かない、もしくは背の低い家具を配置しましょう。

鏡を置く

大きな窓のある部屋は広く感じます。その窓とほとんど同じ効果を持つ家具が鏡です。窓が少ないマンションでは、鏡をうまく取り入れて、錯覚効果で部屋を広く見せましょう。姿見を置いたり、鏡付きの収納があるだけでも部屋の印象が変わります。

12畳リビングのおしゃれなインテリアレイアウト【実例編】

12畳リビングの間取りの使い方や、家具の配置について、実際にレイアウトを紹介します。

一体型のリビングは、白のインテリアで統一してナチュラルに

一体型のリビングは、インテリアの色を統一すると部屋により一体感が生まれます。リビングにいてもダイニングに空間を共有できるため、家族の時間を楽しみたい方におすすめ。特に白色で統一すると、部屋も広く見えて落ち着きもあります。

既に色のあるソファを買っている方は白系のソファカバーを掛けるなどのアイデアもあります。マンションによっては濃い色のフローリングでも、白いラグマットなどを活用すると統一感が生まれます。

一体型の縦長リビングダイニング。2つのテーブルは長方形で幅狭を解消

yasuko_0311 さんのインスタグラムより

縦型のリビング・ダイニングの場合、幅の狭さに悩みがちです。そんなときはダイニングテーブルとセンターテーブルを同じ向きに並べましょう。4人掛けサイズのテーブルを同じ向きに並べれば、幅狭な印象を与えません。同時にソファも同じ向きにすれば、部屋の奥行きを強調できます。

ソファが主役の独立型。ブルックリンスタイルの男前インテリア

norimasakuraiさんのインスタグラムより

ガレージ風の部屋がお気に入りの方には、アンティーク感のある家具を活用したブルックリンスタイルがおすすめ。木目のダイニングテーブルにヴィンテージ感のあるソファを揃えれば、一気に男らしさが漂います。色合いが濃くなりがちなので、部屋を広く見せるには不向きですが、重厚感のある雰囲気を演出できます。

部屋が無機質だと感じる場合は、オーガニック要素としてグリーンをミックスするとぬくもりを感じられる空間になります。大振りな観葉植物を大雑把に置いておくと部屋の雰囲気にマッチします。

ひとり暮らしの独立型リビングダイニング

賃貸の正方形LDKの間取りは、独立型を検討しましょう。リビングとダイニングを分けられるので、食事にも遊びにも集中できます。仕切りを作ることで、ダイニングテーブルでは仕事にも集中できます。

仕切りには本棚やソファを使うと、空間にメリハリが生まれます。本棚を使う場合は高さのあるものを選ぶと圧迫感が出やすいため、低めの本棚がおすすめ。ソファを配置する場合も、明るい色を選ぶと部屋を「仕切り感」が薄まり、独立している割には広く感じられます。また、照明を明るくすることでも空間を広く演出できます。

リビングとダイニングの境界を無くして広々としたスペースに

tomokokaneuchiさんのインスタグラムより

開放感のある空間を演出するには、リビングとダイニングの境界をなくして広々としたスペースを作りましょう。中央に家具を置かないことで、空間に余裕をもたせて広々と使えます。床には大きめのラグやカーペットを敷くとインテリアのアクセントになり、夏は何も敷かず、そのままでも涼しく過ごせます。

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