児童虐待から子どもを守る最後の砦、“預ける”という選択肢を

TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月~金曜7:00~)。9月10日(木)放送の「オピニオンCROSS neo」のコーナーでは、タレントのフィフィさんが“児童虐待を防ぐ術”について持論を述べました。

◆フィフィ流、虐待防止策は?

香川県高松市で女児2人が乗用車内に長時間放置され死亡した事件で、保護責任者遺棄致死容疑で逮捕された母親が、当日酒を飲みに行くことを夫らに知らせていなかったことがわかりました。

今回の件を含め、昨今の児童虐待は「ワンオペ、シングルマザー、ストレスの溜まる育児のなかでとか、そういったケースではないものが出てきている」とフィフィさんは指摘。事実、今回の容疑者は高級外車に乗り、お金に困っていたわけでもワンオペしていたわけでもなく、事件当日に子どもを連れていった理由も「遊びたい、男性に会うための何かしらの言い訳として、カモフラージュで(子どもを)付き合わせていることもある」と推測します。

では、どうしたら子どもを守ることができるのか。フィフィさんは「今日は大胆な意見を言いにきた。行き着くところまで行ったんだなと思ったので、ハッキリ言います!」と前置きし、口にしたのは「期待することをやめる」。

子どもにどれだけ集中し、関心を持てるかが大事であり、「産むだけで親になれるわけじゃない」とフィフィさん。自身も15歳の子どもがいますが、「私は今も初めて15歳の育児をするわけで、それは積み重ねではなく、1回1回、全てが初めてのことをやっているだけ」と言います。さらには、「自分の欲やエゴが最優先ではなく、私が産んだからには守ってあげられるのは私しかいないという責任と自覚を持ってやっていけるかだけ。(育児の)プロなんか誰もいない」と熱弁。

◆子どもを預ける勇気&受け入れる社会を

フィフィさんは、最近驚いたことがあったと言います。それはSNSなどに投稿されている炎上狙いの虐待映像。また、育児論になると見られる、「母親である前に私たちは女。だから恋しちゃいけないんですか?」と主張する人たちにも嫌気がさしているそうで、「親になった以上、親から解放されることなんてない。24時間365日、親は親」と言います。

なかには体調や精神を崩し、育児と向き合えないケースなどもありますが、虐待からの子どもを守るためには「正々堂々と育児放棄ができ、それを受け入れる社会を作るしかない」と断言。

児童虐待の多くは密室で行われていると言い、その理由は「表向きは良い親を演じたがるから」。本当はどこかに預けたほうがいいと思っているものの、そうすると「酷い親」などと言われることを危惧して、ためらってしまうとフィフィさん。

それ故に「預けることは非常に勇気がいることだと思う」と思いやりつつ、「そういう選択をした親に対して温かく、よくやったと迎えてあげる。それは児童虐待を予防・防止するためにすごく重要」と訴えます。さらには、「預けるのは何年でも、一時でもいい。(育児が)できないのであれば、勇気を持って預けることを認める風潮や社会にしなければならない」と主張。

また、警察の対応もアメリカのように児童虐待の疑いがあればすぐさま介入し、一度親と引き離すなどの権限強化を希望。法律面でも両親親権を認めることで助け合いながら育児をすることを望みます。

最後にフィフィさんは、児童相談所虐待対応ダイヤル「189(いちはやく)」を紹介。これは虐待の通報だけでなく、誰でも悩み相談が可能だそう。そして、育児も人それぞれ、自分の形でやればいいと促しつつ、「それでもできないと思えば、預けるという選択肢を持つ。それを社会が受け入れる。子どもの人権が最優先であることを認識したほうがいい」と声を大にしていました。

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<番組概要>
番組名:モーニングCROSS
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00 「エムキャス」でも同時配信
レギュラー出演者:堀潤、宮瀬茉祐子
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/morning_cross/
番組Twitter:@morning_cross

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