長崎・春回会 独自実施の抗体保有率調査 医療従事者全て陰性

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 井上病院などを運営する社会医療法人春回会(長崎市)は8月、傘下の病院や施設で働く医療従事者551人と同居家族125人の計676人について、新型コロナウイルス感染歴を調べる抗体保有率調査を独自に実施。同居家族1人が陽性だった。過去に発症しておらず今回の調査で抗体保有が判明した。同病院は「医療従事者は新型コロナ感染症に対応した者もいるが全て陰性。長崎の医療従事者らの感染率は極めて低いと推測される」としている。
 長崎新聞の取材に同病院が30日、明らかにした。同病院によると、県内で数百人規模の医療関係者に対する抗体検査は初めてとみられる。陽性者の性別、年代などは非公表。保有率は全体で0.14%(医療従事者0%、同居家族0.8%)だった。
 対象は同市や近郊の計13施設の看護師、医師、リハビリスタッフ、事務職員らと家族。受検者は全年代にわたり、30~50歳代が6割を占めた。血液検体を用い、簡易検査と、より精密な「CLIA法」の両方で抗体の有無を調べた。
 同会は今後も定期的に同じ調査を行い、従事者や家族の感染率把握や対策徹底に役立てる考え。今回の調査で抗体保有率が低かった点について、同病院の吉嶺裕之院長は「感染対策の徹底に加え、地域内で新型コロナが広がっていないためと考えられる。医療機関や従事者、家族への風評被害や差別、偏見をなくしてほしい」としている。
 新型コロナの抗体検査は厚生労働省が6月、東京、大阪、宮城の3都府県8千人に実施。抗体保有率は東京0.1%、大阪0.17%、宮城は0.03%で、専門家は「水面下で感染が広がっていたらもっと高い割合が出ただろう」との見方を示していた。