CAの採用がない時はどうすればいい?就職氷河期に苦しみCAの夢を叶えた私の経験談

CAの採用がない時はどうすればいい?就職氷河期に苦しんだ私の経験談

コロナの影響でCA(客室乗務員)の採用が続々と中止になっている今。客室乗務員として働いている私たちだけでなく、客室乗務員を目指していた方にとっても苦しい時期だと思います。

航空業界での就職を目指して頑張ってきた方の中には、今までの努力やモチベーションを失ってしまったと感じている人も多いはず。

私自身、リーマンショックで”就職氷河期”の真っ只中での苦しい就活を経験しました。

CAになりたい!という気持ちと採用がほとんどない現実とのギャップの中、当時は何をすることが正解なのかも、今していることは合っているのかも分からずにとにかく必死でした。

結果的に、新卒では大手メーカーの営業に就職し、その後外資系航空会社に転職。

7年程勤務し、日本の航空会社に転職しました。

 

一見遠回りしたようですが、むしろ営業時代に学んだことや経験が今のCAの仕事での気付きやサービスにも生かされていることが多くあり、今改めて振り返ると何一つ無駄な経験はなかったと思います。

ここでは、就職氷河期での活動に苦しんだ経験の中で、私がやって良かったと思うことをお伝えします。

今CAを目指していて悩んでいる方へほんの少しでも、道を考えるきっかけになれば幸いです。

 

 

他業界を知って視野を広げる

航空業界の採用が大幅に減った今だからこそ、視野を広げ他の業界を見るチャンスだと思います。

私自身、JALの採用中止で道を閉ざされ、他に何に興味があるのか、何がしたいのかなど全く分からなくなり悩みました。

航空業界しか見てこなかった私は、分からないからこそあらゆる業界・職種を見てみようと思い、数十人以上のOB・OGを訪問し、100社以上の会社説明会に参加しました。

その中で、CAの仕事以外でも、海外と関わる仕事、世界中を飛び回る仕事、人と関わる仕事はたくさんあるということを発見することができました。

 

CAになりたいのにどうして他の業界を知る必要があるの?

CAに関係ないことは努力したくない。

子供の頃からひたむきにCAになる為に努力をしてきた人ほどそう思う方が多いかもしれません。

私自身、航空業界一筋でやってきましたが、一つの夢や目標に向かって直向きに努力される方ほど、実際にCAになった時に思い描いていた理想とのギャップを感じたり、思っていた仕事と違うと感じてしまう事が多い傾向があるように思えます。

実際にCAの仕事に就くと、思い描いていた仕事とは違うところも沢山あります。

日系のエアラインでは、レポートの作成などの事務的な能力など、接客能力以外にも必要とされることはあります。

そのため、CAの仕事・職業じゃないと頑張れない、仕事をしたくないという考えを持っている限りは、いつかCAになれたとしても不満が出てくると思います。

どの職種・仕事にも楽しい面や、想像していた仕事とは異なっていたとギャップに感じるところが必ずあります。

そんな時、他の業界・職種を知っていることで、どんな些細な業務にも意味を見つけることができるようになりやりがいを感じられると私自身の経験を通して実感しました。

他業界を知ってからでも、CAになるのは決して遅くないですし、むしろ他業種を知っている方がCAになってからの強みになることも沢山あります。

実際に、同僚の中には元看護師、銀行員、営業、ホテルマン、美容部員など様々な経歴を持って入社された方がいますが、他の人とは異なる視点や経験を持っている強みから、会社からも仲間からも必要とされる場面が多くあります。

 

CAになりたい原点・理由をじっくり考える

子どもの頃からの夢だから、漠然とCAという仕事に憧れがあるから、といった理由でCAを目指している方も少なくないのではないでしょうか?

 

私自身、CAになることは幼い頃からの夢で、「世界中を飛び回り輝いている人たち=CAさん」というイメージのもと、漠然とした理由で目指していました。

就職活動中に、JALの採用がなくなった時、初めて原点に立ち戻り、「何でそんなにCAになりたいと思い続けていたのだろう?」「それはCAとしてでしか叶えられない理由なのかな?」と改めて考えました。

 

日本と世界の架け橋になる仕事がしたい。

英語を使って他の国の人達と関わる働き方がしたい。

世界中を飛び回る仕事がしたい。

 

などなど、改めて自分自身と向き合う事で、漠然とした憧れの裏に潜んでいた沢山の想いを発見することができました。

CAの採用が滞っている今だからこそ、改めてなぜCAを目指しているのかと考えてみてください。

人それぞれ理由はあると思いますが、必ずしもCAという仕事にこだわらなくても、今挑戦できる仕事や職種の中で叶えられる事が多いかもしれません。

 

海外と関わる仕事は、商社やメーカー、貿易会社など。

一流のサービスを提供する接客業がしたい、という理由なら一流のホテルや日本の一流のサービス産業の中の仕事でも叶うことかもしれません。

自分がなぜCAになりたいのかという理由を見つけられれば、その思いに近づく別のアプローチも見えてきます。

 

その業界や仕事を知ることは、CAになるためだけではなく人生にとってとても大きな糧となるのではないでしょうか

 

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チャンスが来たらすぐに飛びつける力を身につける

CAの募集はいつ出るか分かりません。

先の見えない状況で努力し続けるのは大変かもしれませんが、先を見据えて今自分にできることは何かと考えて行動すればいざ採用が出た時も、焦らずにどっしり構えて挑戦できると思います。

私が行っていたことは主に以下の2つです。

1、英語力の向上
会社員として働きながらも、週末や平日仕事後の時間に英会話教室に通いスピーキング力の向上に努めていました。

またTOEICの点数アップの為にも、通勤中にリスニング力を鍛えるなどスキマ時間を活用して勉強していました。

元々、日本の航空会社を志望していましたが、なかなか採用が再開されなかった為、外資系の航空会社に挑戦する事にしました。

英語での試験がほとんどである外資系の面接募集が出た時に、すぐにそのチャンスに飛びつくことが出来たのは、日々英語力向上の努力をしていたからだと思います。

2、日々の仕事や生活の中でネタ探しをする

既卒面接では、新卒と時と比べ社会人としての働く姿や中身を見られるため、小手先では通用しない質問が多く問われます。

元気さや誠実な態度などはもちろんですが、それだけでは通用しないのも既卒ならではです。

逆に、どんな職種に就いていたとしても、その場所で仕事に対して真摯に向き合っていれば面接官にその気持ちが届くと言えます。

どんな仕事であっても、必ず仲間や誰かのためになる仕事をしているはずです。

コピーを取る一つにしても、誰の為に、何の為にしているのか考えてみることで、細やかな気付きや気遣いが生まれます。

また、日常生活の中でも、例えば「外国人観光客の方の道案内をして喜んでもらった」など、誰かに喜ばれるような行動を積極的にしてみるのも良いでしょう。

 

日々、面接で使えそうなエピソードを探すつもりで生活をすると、生活にハリが生まれてきます。

 

 

CAを目指している方へ

ここ数十年を振り返っても、CAの採用がなくなった時期は何度かあります。

新卒では採用がなかったけど、何年かかってでも目指し続け、CAになった人は周りにも沢山います。

CAだけを目指してきた方にとっては、本当に辛い時期かと思いますが、CA以外の道を一旦は考えせざるを得ない状況に置かれたことで、もっと他にやりたいと思う仕事に出会うかもしれませんし、何年かかってもやっぱりCAになりたいと思うかもしれません。

 

綺麗事に聞こえてしまうかもしれませんが、「採用が無いから何もできない」のではなく、採用がなくなってしまった今だからこそ、自分にできる事を考え、視野を広げてCAの道以外でも力をつけていくことが大切だと思います。

その経験は必ず武器になるし、無駄な経験は何一つないと、今改めて思います。

 

皆様に幸運が訪れますことを、心よりお祈りしています。

 

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