老舗文具店がテレワークの拠点に 溝の口駅近くにコワーキングスペース開設

3日にオープンするコワーキングスペース=川崎市高津区

 東急田園都市線溝の口駅(川崎市高津区)近くの老舗文具店「イシハラi-box本店」が3日、誰でも利用できるコワーキングスペースに生まれ変わる。改修と運営を手掛ける同区の不動産会社「エヌアセット」は「テレワーク需要に応えるとともに、公共性の高い施設を目指したい」としている。

 改修は昨年末、地元で70年前に開業した文具店から6階建てビルの1、2階の有効活用を同社が持ち掛けられたのがきっかけ。利用方法を模索する中で、新型コロナウイルス感染症が拡大。周辺のシェアオフィス需要も高かったことから、文具店の「地域に役立つ施設を」との意向を踏まえ、コワーキングスペースとしての利用を文具店側に提案した。

 コワーキングスペースにはワークスペース44席のほか、簡易防音ブースや会議室もあり、携帯電話の通話やテレビ会議なども気兼ねなくできるという。コンセントの差し込み口を増やしたり、公衆無線LAN(Wi-Fi)を整備するなど快適な労働環境を 整えた。

 さらに、地域住民にも立ち寄ってもらおうと、テークアウトが可能な飲食店「二坪食堂」も併設したほか、2階に入る同社の本社機能や店舗では住まい探しの要望にも応える。

 同社は「子どもたちでにぎわっていた文具店の思いを引き継ぎたい」といい、「これからは地域の方々の『働く』と『暮らす』をサポートしていきたい」としている。ワーキングスペースの営業時間は午前8時~同0時。ドロップイン(一時)利用は1時間500円(税別)から。

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