「すごくサポートしてくれる」とトレーナー陣に感謝
■ソフトバンク 2-1 日本ハム(3日・PayPayドーム)
3日の本拠地で行われた日本ハム戦に2-1で勝利したソフトバンク。先制点は柳田悠岐外野手の25号の豪快弾だった。東浜巨投手とともにお立ち台に上がった柳田は「光が見えてきた気がします」と語ってファンの喝さいを浴びたが、見えてきた光の真相は一体……。
2回、イニングの先頭打者として打席に立った柳田は、日本ハムの先発・有原航平が投じたストレートをフルスイング。打球は左中間のスタンドまで到達し、9月18日の楽天戦(PayPayドーム)以来となる25号の先制弾となった。
柳田は「久しぶりのホームランでしたけど、それが勝ちにつながって、それをナオ(東浜)が守ってくれて。今日はナオのおかげです」と、まずは東浜の好投を称えつつ「いいスイングができたのが一番です」と、半月ぶりの一発を振り返った。
工藤公康監督は「最近(柳田の本塁打を)見てなかったので久しぶりというのはありますが、それまでもタイムリーやヒットは打ってたんですけどね。彼らしい逆方向の大きな当たりを2回に打ってくれたことで投手(東浜)にもバッテリーにも勇気が湧いたと思います。緊張感がある試合でベンチも盛り上がって良かったと思います」と、単なる先制の1点というだけでなく、ギータ弾がもたらした効果の大きさを語った。
9月のスタメン落ちは「実力の世界だから」
そんな柳田が感謝の意を示すのが球団のトレーナー陣だ。お立ち台では「新井トレーナーのおかげ」と、ベテランの新井富久トレーナーの名前を挙げ、その後の会見でも「すごいサポートしてくれているんで、そういう周りの方々のおかげで試合に出られていると思います」とした。
工藤監督も「10月に入って疲れてないという人はいないと思います。その中で、打席で集中できているかということだと思うので、そういう意味では打席の中で自分のやるべきことをできているのがいい結果につながっていると思います」と、トレーナーのサポートもあって調子を取り戻しつつある柳田の活躍に目を細める。
柳田の9月の月間成績は打率.299、4本塁打、14打点。打率.315、10本塁打、24打点の数字を残した8月と比較しても調子の下降は明らかだった。9月23日のオリックス戦では首の張りから今季初の欠場も経験した。
「なかなかうまくいかない日が続きましたけど、その中で『もう一度レギュラーを獲る』という気持ちを忘れずにやっていました。(6連戦が続く日程は)しんどいですけど、そこはプロ野球選手なので、頑張っていくしかないです」
9月のスタメン落ちについては「試合には出られる状態ではあったんですが、打ってもいなかったし、実力の世界なのでしょうがないかなと思います」と割り切っている。
また、この日のお立ち台では「チームもグッと調子が上がってきたし、光が見えてきた気がします」と語った。その真意を問われた柳田は「残り試合も少ないので、(身体的に)最後の最後まで野球をプレーするという意味で。最近はコンディションもちょっと良くなってきたので、光が見えたかなという意味です」とした。
「優勝が見えてきた」という意味合いに感じたファンもいるかもしれないが、あくまでも柳田個人のコンディションの話だ。しかし、柳田が最後まで良好なコンディションでプレーし続けることができれば、ファンにはリーグ優勝という光が見えてくることだろう。(藤浦一都 / Kazuto Fujiura)