日ハム中田、楽天浅村どちらが“有利”? 史上空前のハイレベルなパ打点王争いを占う

楽天・浅村栄斗(左)と日本ハム・中田翔【写真:荒川祐史、石川加奈子】

90打点の中田翔と89打点の浅村栄斗に絞られた感のあるパ打点王

新型コロナウイルスの感染拡大の影響で3か月遅れで開幕を迎えた2020年のペナントレース。各球団が90試合超を消化し、シーズンも残すところあと4分の1となった。

セ・リーグは巨人が独走し、パ・リーグはソフトバンクとロッテが激しく首位を争っている。この優勝争いの行方とともに、終盤の話題となるのが各タイトルレースの争いだろう。

今季は試合数が120試合に減ったことで積み上げる数字のタイトルは獲得ラインが必然的に下がると予想される。だが、その中でタイトル獲得ラインが例年と変わらない、いや例年よりも高くなりそうな熾烈な争いがある。

それがパ・リーグの打点王の行方だ。シーズンも残り30試合を切り、この打点王の行方は2人に絞られていると言って過言ではないだろう。現在トップは日本ハムの中田翔内野手で90打点。これを楽天の浅村栄斗内野手が1打点差の89打点で追いかけている。3位の西武・山川穂高内野手が68打点、4位のソフトバンク・柳田悠岐外野手が67打点で、上位2人とは20打点以上の差がついている。

2人ともにロッテから最も打点をあげるが、中田の3試合に対し浅村は6試合を残す

中田はここまで全92試合に出場。1試合にほぼ1打点をあげるペースで打点を積み重ねており、例年の143試合制であれば、140打点前後まで数字を伸ばすことになる。浅村も同じく92試合に出ており、中田と1打点差の89打点だ。このままいけば、110打点から120打点あたりがタイトル獲得ラインとなるか。

昨年の西武・中村剛也内野手は123打点、2018年の浅村は127打点で打点王となったが、2017年のデスパイネは103打点だった。2014年の中田が100打点、2012年の李大浩が91打点でタイトルを獲得していることからも、今年の中田と浅村の争いがいかにハイレベルか分かる。

対戦球団別で見ると、中田はロッテから27打点と最も打点を稼ぎ、次に楽天の22打点と続く。だが、最も打点の多いロッテ戦は残り3試合しかない。10試合も残すオリックス戦は打率.212と分は良くない。一方の浅村はロッテ戦で31打点と荒稼ぎし、打率も.403と相性がいい。しかも、ロッテとの対戦をまだ6試合残しており、相性通りにいけば、更なる打点の積み増しも可能だ。

打点はその打者だけでなく、前を打つ打者たちがいかにチャンスメークをできるか、も重要な要素になる。中田にとっては西川遥輝や近藤健介、浅村にとっては鈴木大地やルーキーの小深田大翔らの働きもタイトル争いの鍵を握りそうだ。(Full-Count編集部)

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