マルチ画面で複数試合を同時視聴 DAZN新コンテンツ「BASEBALL ZONE」の魅力

一画面で同時視聴できる「BASEBALL ZONE」のイメージ【画像提供:DAZN】

6日から試験的に配信スタート、首位争いやタイトル争いをリアルタイムで目撃

プロ野球のペナントレースはいよいよ終盤戦に突入するが、スポーツ・チャンネル「DAZN(ダゾーン)」では6日から、複数の試合をマルチ画面で同時に視聴できる「BASEBALL ZONE」の配信を期間限定でスタートさせる。首位争いや個人タイトル争いを巡り、複数の試合が気になるファンにとっては、願ったり叶ったりの新コンテンツと言えそうだ。その魅力、お勧めの楽しみ方を、制作部EXECUTIVE PRODUCERの江尻大輔氏に聞いた。

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「制作スタッフの中には、『これはリアルタイムで見られるプロ野球ニュースだ』と言う者もいます」

江尻氏はそう言って、笑顔をうかべて頷いた。

かつてスマホが存在しなかった時代、プロ野球ファンは毎日夜11時台にテレビの前に座り、全6試合のダイジェストをアナウンサーと解説者が紹介する番組を楽しんだ。時代が変わり、2020年、「BASEBALL ZONE」は帰宅途中の電車の中でも、夕食をとりながらでも、リアルタイムで複数球場の試合を同時に楽しむことができる。

プロ野球ファンにしてみれば、優勝争いや個人タイトル争いが佳境を迎えるシーズン終盤は、ひいきのチームの試合だけでなく、他球場のライバルチームや選手が気になるところだ。たとえば、現在セ・リーグの本塁打王を激しく争っている巨人・岡本和真内野手と阪神・大山悠輔内野手が別の球場で戦っていても、1つの画面で2人の打席を同時にチェックすることができるというわけだ。

「胴上げや記録達成の瞬間、各球場のエース対4番打者の注目の対決なども、見逃さずに済みます」と江尻氏。より幅広い層のファンのみなさまに新しい野球の見方をお届けするべく、ファンファーストを掲げるDAZNだからこそできたコンテンツと言える。

今季は10月6日、13日、20日の3回、いずれも午後6時から9時まで配信予定。それぞれセ・パ両リーグ合わせて6試合の中から最大4試合をピックアップして同時に映し出し、適宜画面を切り替えながら、解説を務める元捕手の野口寿浩氏(ヤクルト、日本ハム、阪神、横浜)、元外野手の多村仁志氏(横浜、ソフトバンクなど)、MCの石黒新平氏が最新情報を添えていく。

「マルチ画面には、おいしい所取りのおせち料理のような楽しさがある」

また、DAZNではこれまで通り、各試合の配信も行う。江尻氏は「午後9時終了の『BASEBALL ZONE』では、よほどの投手戦にならない限り、試合終了まではお伝えできない。『BASEBALL ZONE』で各試合の流れを把握し、9時以降はそれぞれの一番見たい試合にタイルを切り替えて最後まで楽しんでいただきたい」と提案する。

DAZNではすでにマルチ画面配信として、Jリーグの「J.ZONE」、F1の「F1.ZONE」を展開。「J.ZONE」は、開幕戦の一斉開催やシーズン終盤の首位争い、降格争いなどで視聴者のニーズに応えてきた。「F1.ZONE」は、メーンのレース展開の他、オンボードカメラ、リアルタイムの順位表、各ドライバーが今どこを走っているのかがわかるコース全体図などを詰め込んだ画面を提供している。

江尻氏は「マルチ画面には、おいしい所取りのおせち料理のような楽しさがある。『J.ZONE』『F1 ZONE』には一定の固定視聴者がいるので、そういう人たちにも『BASEBALL ZONE』を見に来てもらって、野球ファン層の拡大につながればいいと思っています」と語る。

ちなみに、江尻氏に日本シリーズの組み合わせ予想を聞くと、「私は昨年、巨人を1年間追うドキュメンタリー番組の制作に携わったので、特別な思い入れがあります。昨年の日本シリーズで負けたソフトバンクに、リベンジを果たすのが最高の形ではないでしょうか」と明かした。一方で、「澤村投手が巨人からロッテに移籍したのは、驚きでしたね。巨人の原監督は度量が大きい方なので、移籍先での活躍を喜んでいるはず。日本シリーズでの対決も望むところでしょう」とも。

いずれにせよ、「BASEBALL ZONE」の登場で、プロ野球のシーズン終盤の楽しみがまた増えそうだ。
(Full-Count編集部)

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