米原潜3月以降 寄港なし 佐世保、今年まだ2回 専門家「コロナで運用変更の可能性」

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佐世保に寄港した米海軍の原子力潜水艦ハワイ=2019年1月18日、佐世保港

 米海軍原子力潜水艦が、今年は3月1日を最後に佐世保に寄港していない。長崎県佐世保市によると、過去5年で米原潜が4カ月以上寄港しなかった例はない。専門家は「新型コロナウイルスの影響で米原潜の運用が変わった可能性がある」と推測している。

 市によると、米原潜が入るのは佐世保港の赤崎岸壁と35番錨地の2カ所。1964年の米原潜シードラゴンの初寄港以降、これまでに通算444回を数える。年に十数回入ることが多く、2017年には過去最多の26回に上った。しかし今年は今月6日までに、1月4~12日と3月1日の計2回にとどまる。
 佐世保だけでなく、原子力空母の母港である神奈川県横須賀市も同様に減っている。同市によると、過去5年では毎年少なくとも15回以上寄港していたが、今年はこれまでに8回。例年の半分のペースだ。
 米軍の動向を監視するリムピース佐世保編集委員の篠崎正人氏によると、佐世保に入る原潜はハワイやグアムなどが母港。インド・西太平洋地域に展開する空母打撃群の艦船の護衛や情報収集、監視・偵察を任務としている。佐世保には「休養」「補給」などを理由に寄港することが多い。
 寄港の減少について、篠崎氏は新型コロナの感染拡大に伴う「運用の変更」を挙げる。原潜に限らず、米海軍の艦船が寄港する場合、乗組員は船内での2週間待機が定められた。これが「足かせ」となり、「どこにも寄らずに母港に戻るようになった可能性が高い」とみる。
 一方、先月25日、米海軍佐世保基地の新司令官に、空母の原子炉制御士官などを歴任したデイビッド・アダムス氏が着任。篠崎氏は「佐世保基地の役割に新しい動きがあるかもしれない」と注視する。
 佐世保の米原潜寄港を巡っては1968年、ソードフィッシュが入った際に放射能調査で異常値を計測。2008年には、ヒューストンの放射能漏れも発覚した。市は、米原潜の放射能漏れを想定し、米軍に対して防災訓練への参加を求めているが、米軍側は拒否している。