割烹旅館・新井閣、ステンドグラス・佐野医院… 消える近代建築、横須賀で展示  

「街の変わったところと現状を見てほしい」と話す富澤さん=市民活動サポートセンター

 神奈川県横須賀市内の近代建築が、この10年ほどでどう変化したかを見る写真展「横須賀を語る建物・あれから」が、市市民活動サポートセンター(同市本町)で開かれている。10日まで。

 撮影したのは、建物の調査・記録から歴史を知る活動を行う市民グループ「横須賀建築探偵団」。2009年に開いた写真展で作成したパネルと、今年8月に同じ場所を撮影した写真を並べた。

 京急線汐入駅近くにあった近代和風の割烹(かっぽう)旅館「新井閣」はマンションに。縦長のアーチ窓とウサギが餅をつくデザインのステンドグラスが特徴だった「佐野医院」が取り壊されて新たな工事が進む。そうした現状から、街の姿が変わっていく様子が分かる。

 文化財指定を受けた市上下水道局逸見浄水場の建物などの写真も展示されている。代表の富澤喜美枝さんは「市内にこういった建物があると知ることで得るものもある。それが次の街づくりに生かされれば」と話していた。

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