「酉の市」恒例の露店、横浜大空襲以来の中止に 神事は規模縮小で実施

縁起物の熊手を扱う「酉の市」の露店。コロナ禍の今年は出店が中止になった(昨年の様子から)

◆「来年こそは盛大に」
 新型コロナウイルス感染拡大防止のため、横浜市南区の金刀比羅大鷲(ことひらおおとり)神社は、例年11月に行う例大祭「酉(とり)の市」で恒例の熊手商など露店の出店を中止することを決めた。神事のみ規模を縮小して執り行う。

 神社近くの大通り公園は例年、縁起物の熊手を扱う露店が軒を連ねて「商売繁盛、大繁盛」の威勢のいい掛け声が響く。横浜の初冬の恒例行事として親しまれ、家内安全や商売繁盛を祈願する多くの参拝客でにぎわう。

 今年の酉の市は、一の酉が11月2日、二の酉が14日、三の酉が26日。奉納提灯(ちょうちん)の設営を行わず、境内では拝殿前の「鈴緒」を撤去する。露店など諸行事の中止は関東大震災があった1923年や横浜大空襲の45年以来という。

 同神社は「混雑による参拝者の感染防止の観点から残念ながら諸行事の中止を決めた。来年こそは盛大に催行したい」と理解を求めている。酉の市は、市の無形民俗文化財に登録されている。

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