大型倉庫でバンライフ 新たな共創拠点「モビラボ」誕生へ 横浜・金沢区

「Mobi Lab.」を設立した(左から)宮下さん、吉岡さん、本多さん=横浜市金沢区

 横浜市金沢区の鳥浜地区に、荷台スペースが広いバンを生活や仕事の拠点とする「バンライフ」を中心にしたものづくり拠点「Mobi Lab.(モビラボ)」が誕生する。工業地帯に立つ約1620平方メートルの倉庫には、バンを活用したシェアオフィスや、企業がイベントを開催できるスペースを展開。建築、通信、飲食など多彩なスペシャリストが集い、来年2月の開業を目標に新たな創造空間を目指す。

 大型クレーンなどがむき出しになった倉庫は、かつて造船所として活躍した。所有する工業用ファスナーの専門商社「ヨコハマ機工」(同区)が、がらんとした敷地を再生しようと、取り組むのが「ものづくり」「社会実験」「コミュニティー」を集約し、体験できる空間の整備だ。

 共同プロデュースする「Carstay(カーステイ)」(東京都新宿区)は多彩な車を活用し、従来にないサービスを提供してきた企業。例えばコロナ禍ではキャンピングカーを医療機関に貸し出し、休憩場所として利用した。モビラボでは移動可能な「トレーラーオフィス」を新たな本社として設置し、未来を切り開く機動力を体現。入居する企業や個人にも車両の活用を提案していく。

 同社の宮下晃樹代表取締役(28)は「大企業のアップル社も、創業はガレージだったと言われる。世界で通用するサービスを鳥浜から生み出したい」。ヨコハマ機工の吉岡璋代表取締役(77)は「“遊び”の中からユニークなアイデアが生まれる。この場所を真っ白なキャンバスと思って、好きなように描いてほしい」と期待を寄せる。

 地域活性化イベントなどを手掛けるNPO法人「Aozora Factory(アオゾラファクトリー)」が、入居企業と地域をつなぐ役割を担う。代表理事を務める本多竜太さん(47)は「大型アウトレット店が目の前にある立地を生かし、地元の品を集めたマルシェの開催や、新製品を体験できる場を提供していきたい」としている。

 15日まで入居企業や個人を募っている。詳細はモビラボ公式サイト(https://mobilab.ai/)。

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