米軍基地問題に翻弄(ほんろう)される沖縄の姿を追ったドキュメンタリー映画「ちむぐりさ 菜の花の沖縄日記」が、神奈川で相次ぎ公開される。石川県から移り住んだ少女の目を通して、「基地なき沖縄」を切望する人々の思いを伝える。
「ちむぐりさ」とは沖縄の言葉で、誰かの心の痛みを自分の悲しみとして胸を痛めること。那覇市内のフリースクールに通う主人公の坂本菜の花さんが続発する米軍関連の事件事故を前に、沖縄では今なお戦争が続いていることを感じ取り、被害者の元を訪ね歩いて「ちむぐりさ」を重ねる。作品は坂本さんが紡ぐ感受性豊かな言葉を軸に、沖縄の人々の明るさの「向こう側」にある現実を描き、本土に「わが事と考えてほしい」と訴える。
新型コロナウイルスの感染拡大で公開時期が当初予定の春から大幅にずれ込んだ。県内では「あつぎのえいがかんkiki」(厚木市)で今月3日から上映。「シネマ・ジャック&ベティ」(横浜市中区)で10日に初日を迎え、11日には午前10時40分開始の回の上映後、沖縄テレビ放送アナウンサーの平良いずみ監督が舞台あいさつする。全国各地で上映され、都内でも10日から「ポレポレ東中野」(東京都中野区)で公開される。