ドラァグクイーンに学ぶ生き方とは ヨシダナギさんが写真展 「生きにくいと感じる人の背中押してくれる」

自由に生きていいと訴えるドラァグクイーンに「生きにくいと感じている方の背中を押してくれるのでは」と話すヨシダナギさん=そごう横浜店

 写真家ヨシダナギさん(34)の最新作が並ぶ写真展「DRAG QUEEN」が8日、横浜駅東口のそごう横浜店で始まった。派手な衣装や化粧をした女装家「ドラァグクイーン」18人の写真55点が並び、強烈な個性と多様な生き方を紹介している。

 ヨシダさんは、世界各国の少数民族を撮影した色鮮やかな作品で知られる。今回は、映画で見たドラァグクイーンのかっこよさに引かれ、新たな被写体として取り組んだという。

 撮影はニューヨークとパリで昨年行い、会員制交流サイト(SNS)で探した個性あふれるモデルたちが登場。キャバレー文化が残るパリのドラァグクイーンには、ショーのような華やかな要素が見られる。

 男性に限らず女性も含まれており、性を超えて自らのアイデンティティーをドラァグクイーンというアートとして表現している。

 撮影を通じて、精神的な強さや他者への優しさに感じ入ったというヨシダさんは「『誰でもなりたい姿になれる。自由でいいんだよ』と、みんなが口をそろえていた。彼女たちの魅力や生きざまを、私の写真を通して伝えたい」と話した。

 さらに「これまでは海外に目を向けていたが、コロナ禍で日本で過ごす間、舞妓(まいこ)や力士といった日本の文化に興味を持つようになった。私のフィルターを通して魅力を表現できれば」と今後の抱負を語った。

 18日まで。一般・大学生800円、高校生以下無料。問い合わせは、そごう横浜店電話045(465)2111。

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