殿堂入り左腕・フォードが91歳で死去 ヤンキース史上最多236勝

ヤンキースは日本時間10月10日、球団史上最多の236勝をマークした殿堂入り左腕ホワイティ・フォードが91歳で亡くなったことを発表した。球団の発表によると、フォードは家族に囲まれてレイズとの地区シリーズ第4戦を観戦しながら息を引き取ったという。ヤンキースはフォードの死を悼み、背番号「16」のパッチを付けて地区シリーズ第5戦をプレーしている。

フォードは16年間のキャリアをヤンキース一筋で過ごし、通算236勝106敗、防御率2.75をマーク。サイ・ヤング賞を受賞したのは1度だけ(1961年)だったが、通算勝率.690は200勝以上の投手では史上1位の数字であり、有資格2年目の1974年に得票率77.8%でアメリカ野球殿堂入りを果たしている。

1950年にメジャーデビューして9勝1敗、防御率2.81の好成績をマークし、ワールドシリーズ制覇も経験したが、1951年と1952年は朝鮮戦争に従軍して欠場。1953年に復帰すると、いきなり18勝をマークし、チームのワールドシリーズ5連覇に貢献した。

最多勝を3度(1955年、1961年、1963年)、最優秀防御率を2度(1956年、1958年)獲得するなど、その後も毎年のように好成績を残し、自己最多の25勝&209奪三振をマークした1961年には自身唯一のサイ・ヤング賞を受賞。この年はワールドシリーズでMVPに輝いており、16年間のキャリアでワールドシリーズに11度出場して6度の世界一を経験した。ワールドシリーズ通算10勝、94奪三振、146投球回は現在も最多記録として残っている。

ノーヒッターは達成できなかったが、1955年には2試合連続で1安打完封を記録。「アメリカ野球学会」の調査によると、これはメジャーリーグ史上5度目の快挙だったという。また、1960~62年にマークしたワールドシリーズ33回2/3連続無失点はベーブ・ルース(29回2/3)の記録を更新し、現在もメジャー記録となっている。

2018年6月にレッド・シェーンディーンストが死去し、フォードは殿堂入りしている人物のなかでは2番目に高齢な存命者となっていた。なお、最高齢は現在93歳のトミー・ラソーダである。

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