ハンドボール県中学選抜 大会中止も「次」へ向け結成

高校生を相手に実戦練習を重ねた男子選抜チームの選手たち=佐世保市東部スポーツ広場体育館

 例年、年末に開催されるハンドボールのJOCジュニアオリンピックカップ大会。コロナ禍で今年は中止になったが、県ハンドボール協会は変わらずに県選抜チームを結成した。モチベーションを保つのが難しい状況の中、男女とも9月下旬まで、高校生との実戦練習などを通じて「次」に向けた貴重な経験を積んだ。
 17人が代表入りした男子は、瓊浦、長崎日大、鹿町工高の胸を借りた。フィジカル面やハンドリング技術など、高校レベルを肌で感じた。普段は違うチームの選手と組むことで、新しい攻め方にも挑戦。セットオフェンスの連係プレーなど、攻撃の幅を増やせるように選手同士で話し合って試してきた。
 最終日の鹿町工高との練習試合では、フローター平野、ポスト空閑らを軸に多彩な攻めを披露した。気迫のこもった守備も、徐々に機能するようになった。主将の下窄は「自分たちのために試合を組んでくれて感謝している。高校の世界を見られて良かった。いろいろな大会がなくなってしまったけど、気持ちをぶつける機会にもなった」と納得の表情だった。
 16人が県選抜入りした女子も、昨年11月の県高校新人大会で4強入りした瓊浦、佐世保商、清峰、佐世保西高と対戦。失点を防ぐために、接触の仕方や細かいカバーなど、組織的なディフェンスの約束事を学んできた。誰がどこに入っても同じようにプレーできるように、意識付けを徹底してきた。
 白いユニホームを着て挑んだ清峰高戦は、2年連続で代表入りした3人が攻守の柱になった。主将のセンター山本が周りの持ち味を発揮できるようにゲームメーク。高さを生かして上からシュートを打てるフローター樫本、パスセンスに優れる手塚を中心に攻撃を組み立て、効果的にサイドも得点を重ねた。山本は「高校生のいいところを見て学べた。この経験を力に変えて高校で九州、全国大会に出たい」と先を見据えていた。

高校生の胸を借りて力をつけた女子選抜チームの選手たち=佐世保市東部スポーツ広場体育館

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