苦手ロッテ戦、今季5勝中3勝が東浜の先発日 残る直接対決へ鷹のローテ再編は必須か

先発したソフトバンク・東浜巨【写真:藤浦一都】

最終盤戦に残すロッテとの直接対決2カードは火曜からの3連戦

10日に本拠地PayPayドームで行われたロッテ戦に4-1で快勝した首位のソフトバンク。1敗で迎えた首位攻防戦第2ラウンドに勝利して1勝1敗のタイに戻し、首位陥落を阻止して2位のロッテに再び1ゲームの差をつけた。

この試合で勝利の立役者となったのが先発した東浜巨投手だ。チームが昨季から苦手とする“天敵”ロッテを相手に8回までわずか3安打1失点と好投。この日はカットボールを有効に使ってロッテ打線をねじ伏せてチームに勝利をもたらした。

試合後に「ブルペンではあまり良くなかったんですけど、マウンドに割り切れて立てたかなと思います。後半戦大事なところでよく回ってきますし、どこが相手だろうと同じような緊張感で毎試合挑めている。本当にそういう中でプレーできてること自体がありがたいことだと思うので、その緊張感を楽しみながら臨めているのかなと思います」と振り返った東浜。負ければ首位陥落となる一戦での見事な好投だった。

昨季からロッテを苦手とするソフトバンク。今季もこの日の勝利で、5勝11敗1分となった。11日の第3戦を除き、直接対決はまだ6試合も残されている。ソフトバンクにとってはいかに、このロッテ戦を落とさずに戦い抜くか。直接対決が優勝争いを大きく左右することは間違いないだろう。

そこで鍵となるのが、この東浜の登板日だ。今季、ソフトバンクがロッテに勝利したのは5勝。実はそのうち3試合が東浜が先発した試合だ。開幕戦の6月19日、ZOZOマリンスタジアムでの9月26日、そしてこの日の試合。東浜自身も4試合に先発して2勝0敗と土が付いておらず、防御率も2.25と安定している。

ソフトバンクがロッテから挙げた5勝のうち3勝は東浜の先発日

現在、週末のカード頭となる金曜日に先発している東浜だが、残るロッテとの直接対決は10月27日からと11月3日からと、週アタマの火曜からの3連戦となる。直接対決の重要度を考えれば、ローテを組み換えて東浜を週の前半のローテに回さない手はないだろう。

試合後、工藤公康監督は「ピッチングの内容等を見ると、1番(ピッチング)スタッフの中ではいい形、いいピッチングで、内容も素晴らしい。投手コーチも見ているでしょうし、提案もあるでしょう。編成も考えないといけないので、含めてしっかり決めたいと思います」と語っており“ロッテ叩き”用にローテを再編する可能性は高そうだ。

現在、週アタマの火曜にはエース千賀滉大投手の登板が続いている。ここに東浜を加えて2本柱をロッテにぶつけることになるか。一方のロッテには、第1戦で好投した二木康太投手、そして第3戦で先発予定のこちらも“鷹キラー”の美馬学投手がいる。ロッテ側も直接対決にこの2人を回さない手はないはずだ。

残り23試合のペナントレース。ソフトバンクとロッテの優勝争いは熾烈さを増しており、まだまだその決着は読めない。勝負のポイントは、最終盤に予定されている直接対決6試合。両チームが戦力を結集しての“ガチンコ対決”となりそうだ。(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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