下肢静脈瘤の新治療 長崎県内初「塞栓術」導入 ヨゼフクリニック

 長崎市坂本1丁目のヨゼフクリニック(高木正剛院長)は、足の静脈がうっ血して皮膚表面がこぶ状に膨らむなどする病気「下肢静脈瘤(りゅう)」の新治療法「血管内塞栓(そくせん)術」を9月、県内で初めて導入した。血液の逆流を防ぐため接着剤を詰めて静脈をふさぐ方法。血管内をレーザーや高周波で焼いてふさぐ従来の方法(焼灼(しょうしゃく)術)に比べ痛みが少なく、少量の局所麻酔で手術可能なメリットがある。
 下肢静脈瘤は、血液の逆流を防ぐ静脈内の弁が壊れて起きる病気。足のむくみやだるさなどの症状が出る場合があり、放置すると血栓や潰瘍の原因になる。加齢や妊娠、長時間の立ち仕事が関連しているとされ、患者は女性が多い。国内1千万人前後の患者がいるとみられる。
 壊れた弁は治せないため、治療は静脈を抜き取ったりふさいだりするのが一般的。血液は一部の静脈がなくてもほかの経路で循環するため問題はない。
 塞栓術は、足に直径1ミリ以下の小さな穴を開けて静脈に管を挿入し、医療用接着剤を流し込む。昨年末に治療法として認可を受け保険適用となった。
 同クリニックは年間200例ほどの患者に対応。塞栓術導入後、既に10例ほど実施した。高木院長は「痛みが苦手な人も簡単に受けられ、包帯は原則不要。足の広範囲に適用できる利点もある」と話す。同クリニック(電095.814.0212)。

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