学術会議法違反か6名削除なら首相の任命権侵害

 菅義偉総理が9日の内閣記者会インタビューに答え、日本学術会議の推薦に基づく会員任命決裁起案書には、すでに任命されなかった6人について「名前がなかった」とし、105人あるべき名簿から6人が外され「99人だった」としたことから、新たな問題提起が相次いでいる。

 日本共産党の志位和夫委員長はツイッターで早稲田大学の岡田正則法学部教授が「首相が名簿を見ていないとすれば、学術会議の推薦に基づかず任命したことになり、学術会議法違反になる」と指摘していること。

 また「首相に推薦リストが到達する前に何者かが6名を削除したとすれば、首相の任命権や日本学術会議の選考権に対する重大な侵害になる」と提起していることを紹介。

 志位氏は「(総理は)総合的、俯瞰的な立場で6名の任命拒否を行ったといいながら、名簿を『見ていない』? いよいよ出鱈目(でたらめ)になってきた」と真相解明が必要なことを発信している。

 また菅総理が学術会議を『行革対象』にするとしていることにも「卑劣な論点そらしだ」とし「今問われているのは首相が『やったこと』であり、『今後のこと』ではない。『桜を見る会』で疑惑に蓋をしたまま中止を決めたのと同じ手口。許してはならない」と問題のすり替えにのせられてはならない、と警鐘を鳴らした。(編集担当:森高龍二)

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