「戦争花嫁」思いはせ 記録映画の制作者講演

 戦争体験者らの講演を通して平和を考える「市民平和のつどい」が6日、横須賀市日の出町のヴェルクよこすかで開かれた。約100人の参加者は、第2次大戦後に駐留米軍人らと結婚した「戦争花嫁」を題材にしたドキュメンタリー映画を観賞し、制作者の話に耳を傾けた。

 講演したジャーナリスト、ルーシー・クラフトさんは短編映画「七転び八起き 日本人戦争花嫁」の共同監督で、出演する3組の母娘の一人だ。「戦後わずか数年、言葉も文化も違う上に敵同士だった両親がなぜ結婚したのか、ずっと不思議だった」と制作の意図を話す。

 通訳や秘書、タイピスト、家政婦…。約5万5千人とされる戦争花嫁は、アジア人さえ少ない異国の地で人種差別や孤独に耐えたという。クラフトさんは「よく働き、礼儀正しい『大和なでしこ』の頑張りが(敵国だった)日本人への偏見や先入観を取り除き、日米の懸け橋となった」とも強調した。

 このほか、県遺族会の金子金次さんが終戦間際、香川県・小豆島で受けた海上特攻訓練の思い出などを紹介。NPO法人「横須賀国際交流協会」の大屋宣美さんはシベリア抑留体験を語り、戦争の悲惨さと平和の尊さを訴えた。

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