出島町人部屋のみ復元方針 長崎市史跡整備審議会

復元建造物の完成予想図(長崎市提供)。(3)が出島町人部屋で(1)の十五番蔵、(2)の番所の復元は困難となった

 出島の整備内容を審議する「長崎市出島史跡整備審議会」(会長・植松俊徳長崎商工会議所相談役)がこのほど開かれ、市は復元を検討した「十五番蔵」「番所」「出島町人部屋」の3棟のうち、出島町人部屋のみ復元する方針を示した。
 市は、6月の文化庁調査官との協議で「(十五番蔵と番所は)建物の位置を特定できるものがないのであれば復元は難しい」と指摘されたと報告。礎石が発掘されていない調査結果も踏まえて2棟の復元は困難と判断、委員も了承した。
 審議会は1978年に設置し委員は有識者ら24人。旧出島橋の復元と活用などを2018年から検討してきた「旧出島橋保存活用小委員会」の報告もあり、発掘作業で出土した石橋の石材を活用した旧出島橋の再構築に向けた短期、中期、長期の課題を盛り込んだ提言書を市に提出した。

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