Go To Eatで飲食店を本当に応援する「Retty」の取り組みは何が違う?

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飲食店応援のために選ぶべきグルメサイトとは?

10月1日から「Go To Eatキャンペーン」が開始された。コロナ禍の中で苦しい状況にある飲食店の活性化を狙ったキャンペーンは、利用する消費者側にも少し注意が必要となる。

まず、お得に飲食店を利用するには、事前に都道府県が発行する食事券を購入しておくか、指定予約サイトから予約を行わなければならない。指定予約サイトを利用した場合、昼食で500円分、夕食で1000円分のポイントキャッシュバックが受けられる仕組みだからだ。そのポイントを次回の飲食店利用に使ってもらおうという施策となっている。

さらに気をつけたいのが、どこで予約を行うかだ。本稿執筆時点で、Go To Eatに対応している予約サイトは15種あるが、自分がお得に飲食したいだけでなく、店を応援したいという気持ちがあるならば、ぜひ店舗側が負担する手数料にも目を向けてほしい。多くのグルメサイトは予約委託手数料だけでなく、予約1件当たりの手数料が発生しているからだ。この手数料を無料化することで飲食店応援を掲げているのが、実名レビューで知られる「Retty」だ。

「多くのサイトでは、1件の予約に対して約200円程度の手数料が発生するので、ネットでの予約が増えれば増えるほど手数料の額も大きくなります。そこで、われわれは従量課金をなくすことで、飲食店のネット予約に対するハードルが下がり、活用しやすくなると考えました」と、Retty 代表取締役 武田和也氏は語る。

1送客当たり200円という金額は、飲食店にとって小さな額ではない。特に現在、大人数での飲食店利用が憚られる状態であるため少人数利用が多くなっているはずだ。1人利用で飲食料金がそれほど高額でなくても200円かかるというのは、積み重なれば大きな負担になる。

この手数料無料化は、飲食店にとって大きな後押しになるだろう。従来からRettyを利用していた飲食店はもちろん、手数料負担を嫌ってグルメサイト利用に二の足を踏んでいた飲食店も新たに加入することでGo To Eatキャンペーンに参加できるようになり、集客力を得られるようになるはずだ。

レビュー増加を狙った企画で「行けない人」も飲食店を応援

Rettyはレビュー投稿のために実名登録を義務づけることで、誹謗中傷や虚偽レビューのリスクを減らし、意義のある口コミが見つけやすいことを特徴としている。消費者に向けて安心を提供してきたわけだが、今回のコロナ禍の中では飲食店側にも純粋な応援を向ける取り組みも盛んだ。その1つが、応援メッセージ機能だ。

「Rettyのユーザーの方の中には自然に『飲食店を応援しよう』という意識が芽生え、テイクアウトを積極的に活用される方も多くいました。そこで、Rettyのサービス内で飲食店に応援メッセージを投稿する機能を追加したところ、かなりの数の応援メッセージが集まりました」と武田氏。

そして、Go To Eatキャンペーン開始に合せて、これを発展させる形でレビュー投稿を行うユーザー側にも魅力ある企画を発信。予約を実行したユーザーだけでなく、予約利用したい店舗に関してTwitterで投稿したユーザーも対象に抽選でAmazonギフト券最大5,000円をプレゼントする企画だ。

「Rettyは比較的個店に強く、実名による質の高い口コミが特徴です。個店はスタッフも多いわけではなく、広告・宣伝にかける予算も潤沢ではないものですが、ユーザーの方の口コミがお店のPRにつながると考えました」と、武田氏は企画意図を語る。

Rettyが独自に行った調査では、「Go To Eatキャンペーンを利用したいとは思わない」という回答が44%にも上った。理由として多く挙げられたのが、新型コロナウイルス感染への不安だ。また、「どうしたら利用したいのか」について、は感染収束後という回答が目立ち、キャンペーン自体の課題としても感染リスクが挙げられている。

自身や家族の事情などから現在は外食しづらいという人も多いだろう。しかし、飲食店は収束を黙って待てる状況ではない。そうした中、PRにつながるキャンペーンが行われることで飲食店は助かり、実際に店へは向かえない人でも飲食店応援を行いやすくする企画は魅力的だ。

ニューノーマル対応で求められる業務効率化に貢献を

現在、飲食店の需要は回復しつつあるが、利用の内容は以前と大きく変化しているようだ。「Rettyでは4月~5月の月間利用者数が4割程度に下がりましたが、8月には昨年を上回る数字に達しました。調査では、外食に行くなら家の近くでという回答が6割を占めました。予約データからは4人以下の外食は回復しつつありますが、10人~20人の宴会は依然として厳しい状況が続いています。感染拡大も不安視される中で、外食業界が復活していくための重要なキーワードが『少人数かつ自宅の近く』だと思います」と、武田氏は語る。

店舗側での対策強化は当然必要だが、利用者側も適切に予約を行ってから訪問するなど、無駄に待ち時間を作らないような工夫は必要だ。誰もが感染リスクを考えた行動をとり続けなければならないニューノーマルの中、グルメサイトは改めて存在感を増して行くことになるだろう。

「Go To Eatキャンペーンをきっかけに、今までインターネットを使わなかった飲食店もネット予約を導入するでしょう。また、ユーザー側も今まで以上にネット予約を活用するようになり、それによって自然とネット予約を導入する飲食店もさらに増えると思います。こうして飲食店のデジタル化が進むことで、予約だけではなく店内のオペレーションやコスト構造にも変化が起こっていくと思います」と、武田氏はGo To Eatがもたらすであろう飲食店の変化を考察してみせた。

今後も、適切な人と人との距離を保つことなどを考えれば、収容人数を元に戻せない飲食店は少なくないだろう。また、利用客側も小規模かつ頻度を落とした利用になると予想できる。いつか元に戻るという期待をするだけでなく、現状に対応しなければならない中、グルメサイトが飲食店に必要となる業務効率化の一助なる未来が考えられている。

「今後を考えると、利用客と飲食店の方の両方が、ネット予約をはじめ外食のデジタル化に慣れていけるかは重要だと思います。新型コロナコロナウイルスが収束したわけではありません。これから外食の形が変化していくなかで、多くの飲食店がデジタルを活用できるようになることは、GoTo Eatキャンペーンの終了後も生きていくことだと思います。そのために今、Rettyは純粋に飲食店の応援を考えています。われわれグルメサイトは、まず飲食店があり、その先にいる生産者がいなければ成り立たないサービスなのです」と、武田氏は先々を見据えた応援施策に注力することを力強く語った。