2017年1月にリリースし、驚異的なヒットを記録したルイス・フォンシとダディ・ヤンキーのラテン・ポップ・ソング「Despacito(デスパシート)」。2020年10月10日、このミュージック・ビデオの再生回数がYouTubeにて70億回を突破し、同曲が保持していた“YouTube史上最多再生回数”の記録を更新した。
プエルトリコ出身のルイス・フォンシとダディ・ヤンキーが、ラテン、レゲエトン、ポップスを巧みに織り交ぜてレコーディングした「Despacito」は、全米シングル・チャートで16週間連続1位を獲得するなど大ヒットとなり、米レコード協会(RIAA)によって最高レベルであるダイアモンド認定を受けた。また、アルゼンチンからアジアに至るまで世界各国のチャートでも1位を記録した他、2018年のラテン・グラミー賞では、“レコード・オブ・ザ・イヤー”を含む4部門を受賞している。
オリジナルの「Despacito」がリリースされてから数ヶ月後となる2017年4月に、ジャスティン・ビーバーをフィーチャーしたリミックスが発表されると、同曲はさらなる盛り上がりをみせていった。ジャスティン・ビーバーが歌う英詞のおかげで、英語しかわからないリスナーも、全編スペイン語のオリジナル曲のサビ以外の部分も一緒に歌うことができるようになったのだ。
確かにジャスティン・ビーバーは「Despacito」を世界的チャートのトップへと押し上げる手助けをしたが、彼が参加するリミックス発表以前からすでにこの曲は大いなる成功への道を歩んでいた。
「Despacito」は、2017年1月にリリースされてから僅か半年で、全ストリーミング・サービスでの累計再生回数が46億回を突破し、ジャスティン・ビーバーの「Sorry」を抜いて“史上最もストリーミングされた曲”となった。
ルイス・フォンシは2017年のインタビューの中で、この曲で成し遂げた偉業をこう振り返っている。
「この曲で普通ではありえないようなことが起こったんです。もちろんヒット作を書こうとしていたから“アクシデント”なんていう言葉は使いたくありませんが、こんな風にクロスオーバーさせるつもりはなくて、ただ人を踊らせたかっただけなんです」
「僕はプエルトリコ出身で、今はマイアミに移住しています。僕たち移民を分断したいと思っている人がいる時代に生きています。彼らは(国境に)壁を作りたがっている。(そんな状況の中で)歌によって人々や文化を結びつけられていることは僕の誇りです」
Written By Tim Peacock