台風、豪雨に備え 訓練重ねる救助隊員 厚木・愛川

水没車両からの人命救助訓練を行う厚木市北消防署の隊員=県消防学校災害救助訓練場

 神奈川県厚木市と愛川町の消防が13~14日、土砂災害や水害に備える救助訓練を行った。昨年10月の台風19号による被害の教訓や、集中豪雨による水害などへの備えを確認した。

 厚木市北消防署は13日、同市の県消防学校災害救助訓練場内の訓練プールで、水没した車両からの救助訓練を実施。集中豪雨によりアンダーパスで車両が水没したとの想定で、水深約1.9メートルのプールに沈んだ乗用車から救急隊員がシュノーケルを付けるなどして救助活動にあたった。隊員4人が連携し、人に見立てた人形を車外に出し、救助工作車のクレーンを使って担架に固定した人形を救助した。北消防署は「救助までやや時間がかかったが、今後も訓練を重ねたい」とした。

 愛川町消防署は13、14の両日、町内の土砂置き場で土砂災害に対する救助訓練を実施した。がけ崩れで倒壊した家屋に住民が生き埋めになったとの想定で、鉄製の棒を使って捜索。人の反応があった地点を中心にスコップなどで掘り進めた。地元で砕石業を担う篠崎建材の協力で初の本格的な土砂災害訓練が実現し、愛川町消防署は「スムーズに活動できた」とした。

© 株式会社神奈川新聞社