コロナで消えゆく!?商都・小樽の古民家

「土曜旅館 桜の間」こんな時こそ願望叶え旅 小樽・美瑛リアルに実感①

© テレビ北海道

かつて北のウォール街と呼ばれ、金融、商業で栄えた小樽には、多くの古民家が残されています。北海道では農家の古民家が多いのに対して、小樽は市街地に商家の古民家が多く残ることが特徴です。栄華の時代を物語るように和洋折衷の建物もあり、海産物の取引などで財を築いた豪商が建てた住宅は、造りも飾りも豪華です。

観光地では、銀行の支店だった石造りの建物だけではなく個性的な民家が残り、カフェやレストランに活用されています。豪商らしく大きな家は近年リノベーションされて、主にインバウンドや個人客向けのゲストハウスなどに活用されてきました。
そうしたこともあり、古民家の活用、取り引きも活発でしたが、今年、状況が一変しました。原因はコロナウイルスの感染拡大によりインバウンドの宿泊需要が見通せなくなったこと。住む人の高齢化などで空き家になると、冬は積雪寒冷地という北海道では、傷みが急速に進むとされています。さらに、リフォーム前の古民家の多くは「ほぼ土地の値段だけ」ということ、加えて繁華街の物件が多く、古民家として売りに出されて1、2年動かなければ、更地にして売り出されることが多いといいます。

番組で訪れた古民家は、建築面積122坪の物件。無声映画の弁士さんが建て、全国からやってくる弁士さんの宿泊所としても使っていたという建物です。7LDK「以上」という表現の2階建てですが、複数の階段やコの字型の廊下がある複雑な造りで、「部屋の数を数えるだけで大変」で「迷子になりそうなほど」広い物件。洋風の外観に、内部は和のしつらえ。改装してゲストハウスにするのはぴったりと感じます。ちなみにお値段は2,500万円。

「今年は小樽の古民家保存にとって危機的な状況」と話すのは、市内で不動産業を営む五十嶺若枝さん。全国古民家活用推進協会の北海道支部長も務めます。小樽で生まれ育ち、不動産業を営んでいましたが、少しずつ古民家が減っていく現状を見て、8年ほど前に古民家鑑定士の資格を取得。3年前には古民家を改装し、オフィスを移しました。ちなみに夜は利用するオーナーが変わり、古い趣を楽しみながら、ホッとできる創作和食の居酒屋になるという珍しい活用方法をとっています。

「コロナ後をにらんだ引き合いもある」と話しますが、小樽らしい街並みを残していくには、一刻も早いコロナの終息とインバウンドの復活を願っているといいます。

(2020年10月24日放送 テレビ北海道「土曜旅館 桜の間」でご協力いただきました)