広島、長崎に原爆が投下されてから75年。改めて核兵器の脅威や平和の尊さを学ぼうと、藤沢市立善行中学校(同市石川)で14日、被爆者の体験を聞くオンライン学習プログラム「ピースネット」が行われた。
1982年に核兵器廃絶平和都市宣言を行った同市では例年、長崎市から被爆者を迎え市内小中学校で被爆体験講話会を開催。今年は、新型コロナウイルスの影響や被爆者の高齢化を踏まえ、初めて長崎と藤沢をオンラインで結び実施することにした。
同校体育館には1年生147人が集合。12歳の時に爆心地から2.3キロの路上で被爆した長崎平和推進協会の山田一美さん(87)が大型スクリーンを通じて被爆当時の様子を話した。
山田さんは原爆投下直後の状況について「ものすごく明るい光が走り、思わず手で目を覆った。しばらくすると空気がどんどん熱くなり、我慢できなくなった」と説明。その後、昼間にもかかわらず周囲が暗くなる様子や、爆心地から逃げてきた人々の「果てることのない長い列」、背中一面にやけどを負った男性、亡くなった乳児をおぶった若い母親らの自らが目の当たりにした被災の実相を語った。