DJI、航空測量向けLiDARソリューションZenmuse L1発表

DJIは、測量展示会INTERGEOにて、航空測量向けLiDARソリューション「Zenmuse L1」を発表した。製品出荷は2021年初頭開始予定。

Zenmuse L1は、DJI史上初の航空測量向けLiDARソリューション。70°FOV、高精度IMUといった特徴を持つパワフルかつ超軽量のLivox製LiDARモジュールが組み込まれており、3軸ジンバルスタビライザーに1インチCMOSセンサーとメカニカルシャッターを備えた20MPカメラが統合されている。リアルタイムでトゥルーカラー点群モデルを生成したり、一度の飛行で広大な領域(最大2km2まで)の点群データを取得することができる。

毎秒240,000点の点率と190mの測定距離(反射率10%、100klx)により、いままでにない容易さと速度で、高品質のLiDARデータを取得することができる。このモジュールは、Livoxが開発した独自技術であるラインスキャンモードと非反復ペタルスキャンモードの両方をサポートしている。短時間で対象領域を完全にカバーし、センサーは決められた平面に沿ってではなく、どの方向でもデータを取得することができるようになるという。

DJI業務用ドローンのフラッグシップモデルであるMatrice 300 RTKと測量ソフトウェアDJI Terraを併用すると、1日を通してリアルタイムの3Dデータを提供し、効率的に複雑な構造の詳細データをキャプチャーして、高精度の再構築モデルを生成することができる。保護等級IP44により、Zenmuse L1は雨や霧などの悪天候条件下でも作業することができ、LiDARモジュールのアクティブスキャン方式により、暗い低照度環境でも飛行可能。

Livox独自のLiDAR非反復スキャンプロセスにより、センサーはあらゆる方向のデータをキャプチャーすることができ、マッピングへ応用する際に重要な要素となる。Zenmuse L1 LiDARソリューションは、林冠や枝葉の植生も簡単に見通すことができるめ、農業や林業の管理者は、樹冠の幅、植生密度、面積、株の容積、成長傾向などのインサイト情報を有益に活用することができる。

緊急時の対応要員は、トゥルーカラー点群を使用し重要なインサイト情報を収集。状況をいち早く把握することにより、情報をリアルタイムで取得でき、情報に基づいた意思決定を遂行することができる。Zenmuse L1は、石油、ガス、鉱業、インフラ整備、通信、電力など、ハイリスクで危険な資産集約型の環境でも利用可能。

航空測量業界では、LiDARテクノロジーが正確な現実モデルを構築する上で重要な役割を果たすという。暗い場所や木々が鬱蒼と茂った場所など、従来のドローン写真測量法では対応できない場合、LiDARを使用すれば、複雑な構造物でも迅速かつ正確な点群モデルを提供できる。米国DJIのエンジニアリング マネージャーであるArjun Menon氏は次のようのにコメントしている。

今回発表した2種類のペイロードにより、正確な地理空間データの収集に積極的に取り組む企業のお客様に、完全統合型ソリューションを提供する。素晴らしい費用対効果と優れた性能を誇る完全統合型LiDARは、弊社の業務用ドローンのフラッグシップモデルにシームレスに統合することができ、測量/マッピング/建設の分野における専門家の理想を現実にする製品。

空中でこれらのツールより計測された高精度かつ高品質のデータにより、まったく新しい見地で地理空間環境を表示し網羅することで、理解を一層深めることができる。

▶︎DJI

© 株式会社プロニュース