中也文学にひたる秋のイベント 「中也忌」や空の下の朗読会・中原中也賞贈呈式など開催

▲2019年の中原中也賞贈呈式の様子

 10月22日は、山口市湯田温泉に生まれた詩人・中原中也の命日。1937年のこの日、30歳の若さでこの世を去った。中原中也記念館(山口市湯田温泉1)では没後83年をしのぶ「中也忌」関連イベントが開催される。

 まず、10月21日(水)必着で中也の墓前に供えるメッセージが募集されている(応募方法は同記念館ウェブサイトhttps://www.chuyakan.jp/news/chuyaki2020を参照)。また、10月17日(土)から25日(日)までは生前未発表詩「野卑時代」の直筆原稿が特別展示。さらに、命日の10月22日は入館が無料となる。

 11月7日(土)には、「空の下の朗読会」と第25回「中原中也賞」贈呈式・記念講演が開かれる。いずれも参加は無料。今年は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、中也の誕生日(4月29日)から開催が延期されていた。

 「空の下の朗読会」の会場は、中原中也記念館前庭。第1部(午後0時半~1時半)は「自由参加の朗読」で、自作や愛読の詩を誰でも朗読できる。受け付けは正午からで、先着15組。

 第2部(1時40分~2時半)は、歌手おおたか静流ライブ。

 ジャンルや国境を越えた音楽活動を展開しているおおたかは、NHKスペシャル「未解決事件」のテーマ曲を歌唱し、Eテレ「にほんごであそぼ」にて中也の詩「汚れつちまつた悲しみに……」に曲を付けたことでも知られる。当日はバイオリン奏者向島ゆり子と共演する。

 第25回「中原中也賞」贈呈式・記念講演の会場はユウベルホテル松政(山口市湯田温泉3)。受賞詩集「美しいからだよ」(思潮社)の作者水沢なおさんへの贈呈式(3時半~4時10分)と、記念講演「中也と鉄道」(4時50分~5時50分)がある。講師は、放送大学教授の原武史さん。

 そのほか、中原中也記念館では10月28日(水)から11月23日(月・祝)まで第25回中原中也賞特別展、11月15日(日)まで企画展「〈汽車が速いのはよろしい〉―中也の詩と乗り物」、2021年2月14日(日)まではテーマ展示「教科書で読んだ中也の詩―思い出の一篇」も開催中だ。

 さらに、同館では2020年5月からSNSを利用した情報発信にも積極的に取り組んでいる。動画投稿サイト「YouTube」で展示の一部を職員が紹介したり、ツイッターで中也に関する豆知識などをラジオ番組風に届ける「CHUYA STATION」も金曜日に月2~3回配信されている。

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