「NIHON」と「Kaisei」。伝統のユニホームを着た私立校同士の一戦は、長崎日大に軍配が上がった。昨夏、準決勝で延長十三回の末に敗れた相手に雪辱してつかんだ九州切符。平山監督は「ホッとした。選手には“海星”を意識せず、目の前のことをしっかりやろうと伝えていた」と振り返った。
今大会、指揮官や選手たちは「誰かがカバーする」と繰り返してきた。その言葉通りに、ミスが出ても誰も下を向かず、日替わりヒーローがそれを補ってきた。
この日、存在感を示したのは、田中、田邊の8、9番打者。2点差に迫られた五回、まずは田中が右中間へ2点三塁打を放つと、続く田邊も田中への配球を踏まえて狙い定めた「初球、真っすぐ一本」を中前へ弾き返した。七回にも田邊が適時二塁打を放って2人で4打点。結果的に3点差の勝負を分けた。
春は1999年、夏は2010年を最後に、甲子園から遠ざかっているチーム。創成館や海星などに苦杯をなめさせられてきたが、ライバルがひしめくパートを制した。
迎える決勝の相手は、昨季から県内公式戦負けなしの大崎。過去に全国4強の実績もあるチームが再び輝くためには、避けては通れない難敵だ。主将でエースの石橋は「粘り強さを発揮して、自分たちの野球を出し切る」と力強く言い切った。
九州高校野球長崎県大会 長崎日大 「誰かがカバー」で雪辱
- Published
- 2020/10/18 09:34 (JST)
- Updated
- 2020/10/18 09:43 (JST)
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