海猿、いろいろやってます 海保がSNSでPR注力、人材確保狙う

ウミガメを救出する海上保安官(海上保安庁のユーチューブから)

 海上保安庁が会員制交流サイト(SNS)を駆使したPR戦略を次々に打ち出している。人気テレビドラマ「海猿」のモデルになった潜水士のほか、さまざまな現場で活躍する多様な職種を紹介。日本の周辺海域で主権と治安を守る海保の認知度アップを図り、人材獲得につなげる考えだ。

 特に力を入れるのは採用情報だ。ツイッターの1アカウントとLINEは「採用担当」が運用し、海上保安庁を目指す受験生向けに採用試験など職員募集に関する情報を投稿している。

 背景には海保の業務が多様化、高度化する一方、コロナ禍で従来の対面によるリクルート方法が制約されている現状がある。「海上が主な職場で、他の機関に比べ業務内容が知られる機会が少ない」(海保担当官)との危機意識があるのも実情だ。

 こうした現状を踏まえ、動画投稿サイト「YouTube(ユーチューブ)」やSNSを通じて日頃の訓練の様子や巡視船、航空機、灯台などの紹介を開始。ツイッターの公式アカウントでは自然災害時、給水や給電など海保による支援情報を発信するという。

 ユーチューブの動画は、全国を11の管区に分けて管轄している各海上保安本部が主体になって作成している。第3管区海上保安本部(横浜)は特殊救難隊や巡視船艇などの撮影を始めており、約30秒の動画にまとめる。3管の担当官は「海上保安官の仕事を身近に感じてもらえる映像に仕上げたい」と意気込んでいる。

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