「非接触」「空中映像」で操作 長崎で試作機開発 三菱電機エンジニアリング

タッチレス機能を付けたタッチパネルモニター(三菱電機エンジニアリング提供)

 三菱電機エンジニアリング(東京)は、画面に触らずに操作できるタッチレス機能付きモニターと「空中タッチディスプレー」の試作機を同時開発した。新型コロナウイルス感染予防策として高いニーズを見込み、2021年度の製品化を目指している。

 どちらも長崎事業所(長崎県西彼時津町)で開発した。一つはタッチパネルモニターにタッチレス機能を付けた。センサーの認識感度を上げることで、画面から約3センチ離れた位置まで指が近づくと反応し、クリックできる。
 「空中タッチディスプレー」はディスプレーの画像を特殊な素材に反射させて空中に鮮明に浮かび上がらせる。3次元距離センサーなどで指先の位置や動きを判別し、空中映像に触れて操作しているように見せる。画面に汚れや傷が付かず、メンテナンスを省力化できるメリットもある。
 感染予防意識が高まる中、「非接触式」の入力端末は公共施設や医療機関、オフィスなど不特定多数が使う場所への導入が期待される。同社は「より衛生的なオペレーションが可能となり、接触・感染リスクの低減に貢献できる」としている。まだ世界でも普及しておらず、先進技術として試作機の機能や性能を向上させ売り込みを図る。
 同社は三菱電機の子会社で、工場を持たないファブレス企業。本県内での外注生産を検討している。

空中タッチディスプレー(三菱電機エンジニアリング提供)

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