「ラストピース」ベッツが躍動! ドジャースがWS初戦を制す

【レイズ3-8ドジャース】@グローブライフ・フィールド

日本時間10月21日、第116回ワールドシリーズが開幕し、中立地アーリントンのグローブライフ・フィールドでアメリカン・リーグ王者のレイズとナショナル・リーグ王者のドジャースが対戦。ドジャースは32年ぶりの世界一に向けた「ラストピース」としてチームに迎え入れたムーキー・ベッツが1本塁打、2盗塁、2得点と躍動しただけでなく、先発のクレイトン・カーショウが6回2安打1失点の快投を見せ、8対3で初戦を制した。ベンチスタートとなったレイズの筒香嘉智に出場機会はなかった。

世界一をかけたワールドシリーズの戦いはタイラー・グラスナウとカーショウの投げ合いでスタート。カーショウが1回表一死一・二塁のピンチを無失点で切り抜けると、グラスナウも毎回走者を出しながらドジャース打線に得点を許さず、両軍無得点のまま序盤の3イニングを終了した。

試合が動いたのは4回だった。カーショウが4回表を三者凡退に抑え、4回裏のドジャースは先頭のマックス・マンシーが四球で出塁。一死後、リーグ優勝決定シリーズ第7戦でヒーローとなったコディ・ベリンジャーが初球のフォーシームを捉え、センターへ1号先制2ランを叩き込んだ。

レイズは5回表にケビン・キアマイアーの1号ソロで1点を返したが、直後の5回裏にドジャース打線が爆発した。先頭のベッツが四球で出塁した直後に二盗を決め、コリー・シーガーも四球を選んで無死一・二塁のチャンス。ここでジャスティン・ターナーは空振り三振に倒れたものの、ベッツとシーガーが重盗を決めて一死二・三塁とチャンスが拡大した。続くマンシーの打球は一塁ヤンディ・ディアスへのゴロとなったが、本塁への送球が少し逸れる間にベッツが快足を飛ばしてホームイン。さらにウィル・スミス、クリス・テイラー、代打エンリケ・ヘルナンデスにもタイムリーが飛び出し、リードオフマンのベッツから始まる打者一巡の猛攻で一挙4点を奪った。

カーショウは6回表を三者凡退に抑え、6回78球と余力を残して降板。一発こそ浴びたものの、被安打2、奪三振8、与四球1、失点1という見事なピッチングを披露し、ポストシーズンの通算奪三振数を201として歴代2位に浮上した(歴代最多はジャスティン・バーランダーの205)。

ドジャースは6回裏にベッツの1号ソロとマンシーのタイムリー二塁打で2点を追加。ワールドシリーズの試合で1本塁打、2盗塁、2得点を記録するのは史上初の快挙となった。7回表に代打マイク・ブロソーとキアマイアーの連続タイムリーで2点を返されたが、8回表を4番手のペドロ・バイエズ、9回表を5番手のジョー・ケリーが三者凡退に抑えて8対3で快勝。1988年以来32年ぶりの世界一に向けて好スタートを切った。

勝利投手は好投したカーショウ(1勝0敗)、敗戦投手は与四球6と制球に苦しんだグラスナウ(0勝1敗)。世界一への「ラストピース」としてドジャースに加入したベッツは、好守を連発したリーグ優勝決定シリーズに続いてワールドシリーズ初戦でも素晴らしい活躍でチームの勝利に大きく貢献した。

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