IMSA:デイトナ2連覇中のバン・デル・ザンデ、2021年のWTRラインアップから外れる

 小林可夢偉とともにデイトナ24時間レース2連覇中のランガー・バン・デル・ザンデは、2021年のIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権に現在所属しているウェイン・テイラー・レーシング(WTR)で戻ることはなく、今季限りで同チームから離脱することを確認した。

 このニュースはバン・デル・ザンデ/ライアン・ブリスコー/スコット・ディクソンがWTRの10号車キャデラックDPi-V.Rで、シリーズ第9戦プチ・ル・マンを制した数日後に発表された。
 
 2018年に“レジェンド”ウェイン・テイラー率いるWTRに加入したオランダ人は、デイトナでの連覇をはじめ、2度のプチ・ル・マン優勝とセブリング12時間での2回の準優勝など近年、同チームが収めた成功において、重要な部分を占めているといって過言ではない存在だ。

 そんなバン・デル・ザンデは2019年シーズンの終了後、彼の将来に対する最初の不確実性があった後、チームと単年契約を結んでいたいと理解されている。

 彼はSportscar365に対し、今週水曜日(21日)に自身がチームの来季ラインアップから外れたことを知らされたと語った。

「難しい状況だ。(8月)のロード・アメリカの後、彼らは来年も僕が彼らのためにドライブすることになると言っていたんだ」とバン・デル・ザンデ。

「今週末、僕はホンダと一緒にスパに来ている。また、彼らは(2021年から)アキュラとともに仕事をすることになるので、それはとても理にかなっている」

「ここ数年の僕の成績をみると、デイトナで2回、プチ・ル・マンで2回優勝し、デイトナでは最速になった。合理的に考えて、このような判断は本当に奇妙なことだと思う」

「僕とエンジニアリンググループの間には、本当に良い関係性が築かれている。だからそれが止まる理由はなかったはずだ」

 バン・デル・ザンデはウェザーテック・スポーツカー選手権に留まる方法を模索しているものの、2021年シーズンに向けたテーブルには選択肢がほとんどない、と付け加えた。

「それについてもっとも恐ろしいのは、僕が他のチーム(の状況)をまったく追いかけていなかったことだ」

「最近の24時間の間にいくつかのチームに電話をかけてみた。でも、2021年シーズンのことを決めるのは遠いタイミングのことだから、もっと早くに知っていたら……と思うよ」

「それは本当に厳しいものになる。置き去りにされたような気分だよ。アキュラと一緒に新しいマシンでスタートして(WTRとともに)ジャンプしたかったのに」

「僕たちは2レースを残してチャンピオンシップを(8点)リードしている。いま僕にできる最善は、チャンピオンシップで勝利を収め、彼らと一緒に最高の状態で(シーズンを)フィニッシュできるようにすることだ」

「僕にできることはそれだけだ。今はちょっとショックだよ」

「いくつかのチームと話をしているが、フルタイムシートのほとんどがなくなったと思う。サードドライバーとして、長距離レースに参加するのが現段階では良い選択肢になると思う。選択肢はあまりないけどね」

ランガー・バン・デル・ザンデ(左からふたり目)は2019年、20年と2年続けて、WTRとともにデイトナ24時間の優勝ドライバーになっている。

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