子どもの予防接種、うっかりするとムダな出費に!ロタワクチン無料化など10月からの大きな変更点

子どもが産まれると、多くの母親が大変だと感じるのが予防接種です。早いものだと生後2ヶ月から始まり、早めのスケジュール調整、予約が必要です。国が接種を推奨する「定期接種」のものは自治体から届く接種券によって公費扱いとなりますが、接種可能期間を過ぎてしまうと「任意接種」扱いとなり自費に。

しかし、2020年10月からこれまで「任意接種」扱いだった一部の予防接種が「定期接種」扱いとなり、無料で受けられるようになりました。今回は、押さえておきたい子どもの予防接種ルールをご紹介します。


予防接種の「定期」と「任意」ってなに?

子どもの予防接種は、命に関わる病気から子どもを守る大事な役割があります。新しい感染症や子どもにとって危険な病気の変化に伴い、国も適宜ワクチンの種類やルールを見直しています。

これまで、定められた期間内であれば無料(公費)で受けられる「定期接種」の主な種類は、B型肝炎やヒブ(インフルエンザ菌b型)、小児肺炎球菌(PCV13)、麻疹・風疹混合(MR)など。

一方、接種が推奨されているものの、自己負担となってしまう「任意接種」は、ロタウイルス、おたふくかぜ、インフルエンザなどです。任意接種を受けるかどうかは個人の判断に委ねられるため、「子どもの健康のためには自費でも受けさせる」と考える人が大多数ですが、「無料なら受けさせるけれども、自費なら受けさせたくない」と考える人もいます。

自費だったロタワクチンが無料に

しかし2020年10月1日からは、これまで「任意接種」だったロタウイルスが「定期接種」に変更されました。これはとても大きな変更点です。なぜなら、ロタウイルスの接種費用はとても高かったからです。

飲んで接種する経口生ワクチンであるロタウイルスは、1度では効果が不十分なため2回もしくは3回の接種をする必要があります。費用は医療機関によって異なりますが、1回につき1万円前後はかかります。接種完了するまでに約3万円もかかっていた費用がこれからは無料になるので、子育て世帯の経済的負担はグッと減るのではないでしょうか。

接種間隔のルールも変更

子どもの予防接種で大変なのは、接種してから一定の期間をあけないと、次の接種ができないということ。「2回目は、1回目から3ヶ月の間隔をあけたら受けられます」「次回の予防接種は1ヶ月先で予約を取ってください」などと言われるので、予防接種のスケジュールを調整しなければいけませんでした。

この点も10月からは若干のルール変更がありました。異なるワクチンの接種期間です。経口生ワクチンや不活化ワクチンを接種した後に次のワクチンが接種可能に。たとえば、小児用肺炎球菌ワクチンを接種後は間隔をあける必要がなく、ヒブワクチンを接種することができるようになりました。

注意が必要なワクチンもある

ただ、麻疹・風疹混合ワクチンやおたふくかぜワクチンのような注射生ワクチンを接種した場合は注意が必要です。次に接種するのが経口生ワクチンもしくは不活化ワクチンなら間隔をあけなくてもいいですが、次も注射生ワクチンを接種する際にはこれまで通り27日以上の間隔をあけなければなりません。

また、4種混合ワクチンのように同じ種類のワクチンの接種を複数回受ける場合にも、ワクチンごとに決められた間隔を守る必要があります。

予防接種の種類はどんどん増え、スケジュール管理が大変です。今回のルール変更で、以前よりも余裕を持った予防接種のスケジュールを立てられるようになりました。忙しい親の助けになりそうです。

スケジュール管理ミスで余計な出費も

予防接種のスケジュール管理が重要なのは、定期接種のものでも接種可能な期間を過ぎると。自費となってしまうからです。筆者も0歳のうちに3回接種が必要なB型肝炎の予防接種を子どもに受けさせる際に、最後の1回が1歳の誕生日を数日過ぎてしまったことがありました。

「1歳以上でも未接種の場合はできるだけ早く受けるよう言われているし、数日なら大丈夫では?」という甘い考えで医療機関に相談してみましたが、通りませんでした。通常であれば無料だったはずの予防接種に、5000円も支払う羽目に。予防接種のスケジュール管理はきちんとしていればいるほど、無駄なお金がかかりません。

今回に限らず、子どもの予防接種は毎年のようにルール変更がなされています。最新の情報を把握することは、子どもの健康を守る上でも、出費を減らす上でも重要です。厚生労働省や日本小児学会の情報を参照するとともに、わからないことはかかりつけ医に積極的に相談することをお勧めします。

© 株式会社マネーフォワード