沖縄の産業まつり、ウェブ上でも…お笑い合戦や泡盛バー リアル会場ではヒージャー汁健在

 第44回沖縄の産業まつりが24日に開幕する。今回、初めてポータルサイトを導入し、仮想の会場をウェブ上に展開する。第6会場まであり、それぞれの企業や団体のサイトが集められている。県産品の物販サイトもあれば、ものづくりの取り組みを紹介するサイトもある。23日に県庁で行われた記者会見で、大会実行委員会の古波津昇会長は「県民はもちろん、県外、海外からもサイトを見てくれることを期待している。日曜日まで誠心誠意発信していきたい」と意気込んだ。

 2日間生放送の「デジタル産業まつりライブ」もユーチューブで配信する。24日の開会式セレモニーを生中継するほか、お笑い芸人による「県産品まんざい紅白お笑い合戦」、護得久栄昇さん、大兼のぞみさん、Vチューバー根間ういによるスペシャルライブ、「2日間だけのオンライン泡盛バー」、県産品をPRする番組などをオンラインで届ける。24日は午前9時半~午後6時、25日は午前10時~午後6時。ポータルサイトは各企業や団体のホームページに誘導するほかリアルのイベント情報も掲載しており、県内各地の実店舗で催すセールについて見ることができる。
 地域分散のイベント会場では、那覇市のパレットくもじ前イベント広場で第23回商工会特産品フェア「ありんくりん市」、イオン那覇店前広場で県中小企業団体中央会による県産品販売などが催される。
 新型コロナウイルス感染拡大防止のため、リアル会場ではマスク着用、ソーシャルディスタンスの確保、事前の検温、手指消毒の徹底などを呼び掛けている。密を避けるため、入場制限をする場合もある。
 記者会見で県商工会連合会の米須義明会長は「オンラインでは100種類の地域特産品を紹介している」とPR。県物産公社の湧川盛順社長は「新型コロナで需要が減少し、県内企業が厳しい状況だ。県民が県内企業を応援する機会にしたい」と述べた。

那覇では3カ所、リアル会場は感染対策を工夫
 第44回沖縄の産業まつりの開幕に先駆けて、23日に那覇市の県庁前県民広場で始まった「わしたショップde沖縄応援マルシェ」には、ゲンキ食堂やカフェくるくまなどの飲食ブースのほか、琉球ガラスや泡盛など県産品を扱う計12ブースが出展した。今年の産業まつりは新型コロナウイルス対策としてオンライン販売が中心となるが、数少ない現場での販売エリアとなる。25日まで。

 定番商品からイベント限定商品、新商品まで自慢の品やメニューが並んだ。大阪府から来た筒井ゆかりさんは「今年こそは奥武山の産業まつりに行こうと思っていた。規模は縮小となったがヒージャー汁も味わえて、泡盛も買えたので良かった」と笑顔を見せた。

 事業者からも産業まつりで対面販売ができないことに落胆する声が多かったことを受け、県物産公社がマルシェ開催を企画した。同公社が運営するわしたショップ国際通り店の城間力店長は「メーカーの皆さんが丹精込めて作った商品が並んでいる。ぜひ足を運んでほしい」と呼び掛けた。

 会場では、沖縄音楽を奏でるアーティストによるステージも開催される。新型コロナウイルスの感染対策として会場入り口では名前と連絡先の記入を求めているほか、検温とアルコール消毒を実施している。

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