DeNA終戦も…高卒4年目右腕が来季へつながる2勝目 ラミレス監督「ワォッ」

DeNA・京山将弥【写真:荒川祐史】

京山は広島戦で6回無失点好投で2勝目をマーク「戸柱さんのサインを信じて投げた」

■DeNA 2-0 広島(23日・横浜)

DeNAは23日、横浜スタジアムで行われた広島戦に2-0で勝利し、連敗を3で止めた。故障者や不振の選手が多く、苦しい台所事情の先発陣で、今季4度目の先発となった京山が6回無失点の好投で2勝目を挙げた。

エースの今永が左肩手術で今季絶望、浜口、上茶谷は不振で登録抹消中と主力投手が不在の中、高卒4年目の京山が9月から1軍に昇格し、先発の一角を任されている。9月は3試合に先発して1勝1敗の成績を残した右腕だが、10月は先発予定の試合が雨天中止になったこともあり、今季4度目の先発マウンドは、中継ぎ登板を挟んでのものとなった。

立ち上がりは本人が「慎重になり過ぎてボールが多くなってしまった」と振り返ったように、先頭の野間と前回の対戦で本塁打を打たれた鈴木誠に四球を与えて1死一、二塁のピンチを招いた。それでも「思い切って勝負していこう」と気持ちを切り替え、松山、西川を連続三振に打ち取った。

2回以降は、すでにリーグ優勝の可能性が消滅して淡白さが目立つ広島打線を順調に打ち取り、5回2死から投手の床田に打たれた1安打のみに抑えた。6回に先頭・田中の安打に味方の失策が続いて無死一、二塁となったが、「戸柱さんのサインを信じて投げた」とクリーンアップを打ち取り、99球を投げてこの回限りで降板した。

ラミレス監督「ワォッと言いたくなるぐらい素晴らしい投球だった」

リリーフの好救援で今季2勝目をマークした京山だが、ラミレス監督が「シーズン前には、もっとやってくれるだろうと期待していたが、ケガもあって1軍でなかなか投げるチャンスがなかった」と本人だけでなく、周囲も含めて不本意なシーズンとなっている。高卒2年目の18年には先発ローテに入り、6勝をマークした実績を持つが、昨季は不振で未勝利に終わった。

オフには今永とともに米国で自主トレを行い、鮮烈デビューの再現を狙った今季も平良、大貫など若手有望株が躍進する中、1軍昇格は9月まで遅れていた。今季初登板となった広島戦に続く2勝目となったこの日の投球を「ワォッと言いたくなるぐらい素晴らしい投球だった」と称賛した指揮官だが、「今日のようなレベルの投球を続けて、先発ローテに入れる力を持っている投手だと思う」と、そのポテンシャルに対する評価は高い。

プロ通算8勝目となったこの日の勝利は、京山にとって意味のあるものだった。ここまでの7勝のうち、加賀の引退試合の2番手として8回2/3を投げての勝利はあるが、その他の6勝は全て5回で降板しており、先発としては初めて6回を投げ切っての勝利となった。

京山の快投でチームの連敗は3で止まったが、首位の巨人が勝利したことでDeNAのリーグ優勝の可能性は消滅した。変則日程でクライマックスシリーズが開催されない今季、残り12試合はチームとっては消化試合となるが、来季以降に向けて、先発陣のサバイバルは続く。将来のエース候補と指揮官の期待も高い4年目右腕にとって、残り試合の登板機会は1度たりとも無駄にできないものになる。(大久保泰伸 / Yasunobu Okubo)

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