石木ダム 土砂搬入で深まる対立 私物申告、あす撤去期限

県「説得続ける」、住民「脅し」と反発

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土砂が搬入された現場で座り込みを続ける反対住民ら=川棚町

 長崎県と佐世保市が東彼川棚町に計画する石木ダム建設事業を巡り、県道付け替え道路工事現場で座り込みを続ける反対住民らと県の対立が深まっている。座り込み場所に土砂を運び込んだ県に、住民側は座り込みの時間を延長して抵抗。住民らが現場周辺に設置する私物に対し、県が求める所有者の自己申告や撤去の期限も26日に迫っている。
 座り込み現場の周辺には住民や支援者が休憩用のベンチやテーブルなどを設置している。県はこれまで周辺を避けて工事を進め、約140メートルの区間が未着工だったが今年6月、当該区間の盛り土工事に入るとして、私物の撤去を求める看板を立てた。住民側は応じず、工期を8月末から10月末に延長。再び工期が迫った今月9日、所有者は26日までに名乗り出て速やかに撤去するよう求める看板を立てた。
 その後、県土木部長らが現地を訪れ説得したが、状況を打開できず、県は16日、住民らが帰宅した後に座り込み場所の盛り土工事に着手。住民らが現場に引き返して抗議したため、作業は中断した。17日以降、住民らは平日午後や土曜日も交代で現場に張り付き、警戒している。県は「自主的な撤去を求めて説得を続ける」と強調するが、住民は「実力行使をちらつかせた脅しだ」と反発する。
 国土交通省によると、道路区域内の不法占有物(有価物)は▽相手方がわからない▽危険度が大きい▽違法放置に当たる-の要件を満たすと、道路法で撤去できる。所有者がいる場合は口頭や書面による行政指導などを経た後、行政代執行法の手続きを踏むのが一般的だ。
 住民側は県に対し、現場の私物は支援者を含めた「みんなの物」と説明。県は今後の方針について「26日以降の状況を見てからの判断になる。仮定の話には答えられない」としている。