九州新幹線長崎ルート 長崎県の主張 佐賀にも大きなメリット 長崎・佐賀両新聞 社長対談

<長崎新聞社長・徳永>
 長崎県は国がFGT開発を断念した今、フル規格を要望している。博多-長崎が現在の特急かもめの約2時間から約50分と1時間ほど短縮され、新大阪直通で関西や中国地方からの交流人口も大幅に増えると見込んでいるからだ。特に新大阪との直通は佐賀県にも大きなメリットがあると主張している。
 だが佐賀県が、国交省が提案した環境影響評価(アセスメント)に同意しないことに危機感を募らせている。遅くとも今冬にアセスに着手できなければ、北陸新幹線の敦賀-新大阪を含めた与党の財源論議に乗り遅れ、部分開業翌年度の2023年度着工が大幅に遅れる可能性がある。武雄温泉での新幹線と在来線を乗り換える対面乗り換え(リレー)方式は不便でもあり、長期固定化することだけは何としても避けたい意向だ。
 佐賀県は建設費の財政負担や並行在来線の経営分離など「さまざまな問題が複合的に横たわっている」とし、長崎県も理解を示している。佐賀県と足並みをそろえて政府・与党、JR九州に問題解決を求める用意があると思われるが、佐賀県はこれらについてフル規格整備の条件ではないと主張する。長崎県は真意を測りかねているのではないか。

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