心配性の夫の行動で生活が破綻しそう…夫婦の考え方の違いが浮き彫りに

世界中がコロナ禍に陥って半年以上が経ちます。もはやマスクや消毒液が日常必須のものとなっていますが、今年の初めにはこんな事態は誰も想像すらしていませんでした。このコロナ禍ではいろいろなものが炙り出されています。


夫がこれほど心配性だったとは

今まで通りとはいかない日常生活をどう営むか。これは誰もが考えていることでしょう。

「10歳と7歳の子どもがいるし、近所には私の両親もいるので、とにかく誰も感染しない、感染させないことを考えてきました。基本はマスクと手洗い、家の掃除と換気に気をつけています」

そう言うのは、都内在住のカホルさん(40歳)です。2歳年上の夫は、最初は帰宅してもろくに手洗いもしなかったそう。でも感染者数が増えるにつれて、夫の態度も変わっていきました。

「3月ころでしたか、大量にマスクを買い込んできました。ダンボール2箱分。次にトイレットペーパー。ネットでやはり大量に購入。しかももう不足が叫ばれていたころで、ネットでは高価格で購入したみたいです。消毒液もさまざまな種類のものを買って、家のいたるところに置いてあります」

自粛生活が叫ばれていたころ、夫は週に1度の出社、カホルさんは2週間に1度の出社、あとは在宅勤務となりました。

「あのころ夫は出社する以外は、まったく家から出ませんでした。私は週に2回くらい買い物に出かけていたし、犬の散歩にも行かなければならなかったけど、夫は閉じこもりきりでした。本人がこもっているだけならいいけど、犬の散歩に行く私と子どもたちに口うるさいのなんのって」

不織布のマスクを二重にしろ、散歩から帰ってきたらまず玄関で洋服を脱げ、家に入るまえに手を洗えと玄関先で大声で指図していたそう。近所の人が何ごとかと出てくる事態にまでなったそうです。

「夫があれほど心配性で神経質だと、結婚して12年、初めて知りました。窓を開けて換気をすると、今度は窓からウイルスが入ってきたかもしれないと拭き掃除をする。在宅勤務をしながら、ほとんど仕事になっていなかったのではないかと思います」

カホルさんは日々、情報を入手、不特定多数の人が集まるところには行かない、人とは距離をとるという基本的なことさえマスターしておけばリスクは減ると思っていますが、夫は納得しませんでした。

出費が増えるばかり

夏になると夫は前のように週5日は出社となりました。カホルさんは現在も週3日出社です。

「通勤電車が怖いと夫が言いだし、朝早くに家を出て自転車通勤をするようになりました。1時間半ほどかかるみたいです。そのために自転車を新たに購入、しかもイタリア製なんていうとんでもない値段のものを買って。マスクは1日5回くらい取り替えているし、服も3回くらい着替えている。私から見れば不要なコストがかかっているんですが、夫は感染しないためにはしかたがない、と。非科学的なんですよね」

カホルさんは、どうせなら食材にお金をかけておいしく食べて体力をつけたほうがいいとさえ思っているそうです。ただ、夫がそうやって“コロナ浪費”をするので、家計は以前よりずっと厳しくなっています。

「夫に家計のことも考えてほしいと言っているのですが、夫の心配性は改善されない。つい最近、夫は小さな庭にロッカーみたいなシャワールームを作ったんです。帰宅したらみんなまずそこでシャワーを浴びてバスローブで家に入る。洗濯物はビニール袋に入れて、やはり庭に設置した洗濯機に放り込む。これによって私の仕事も増えるし、これから寒い時期にかえって風邪をひくと言っているのですが、夫は聞く耳をもちません。だいたい、ちっぽけなシャワールームだってすごくお金がかかったんですよ。お金をかけるところが違うと何度も言っているんですが」

寒くなってきたので、カホルさんは子どもたちにはそのシャワールームを使わせていません。もちろん、自身も使いません。夫だけが必死に自分の決めごとを守っている状態です。

「正直言って、夫のせいで今、うちの家計はめちゃくちゃです。これが続くようなら、本気で離婚も視野に入れなくてはいけない。そう思っています」

コロナ恐怖にとらわれて日常が見えなくなっている夫をどうしたらいいのか。恐怖はわかりますが、気をつけなければいけない限度は超えていうようにも思えます。生活が破綻したら、それこそ大変。カホルさんはどうしたらわかってもらえるのか……今日も頭を悩ませながら過ごしているそうです。

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